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古屋の雨漏りについて

■□相談内容 

古屋付きの土地物件を7月購入しました。
購入する際に、古屋を03年末新築の際取り壊すことと多少のリフォームを行い、
短期で賃貸物件にする旨を不動産屋さんに申し渡しました。
古屋を取り壊す費用及び水道ガスの引き直しの費用等を条件に
指し値で価格交渉しました。

引き渡し後、簡易なリフォームを行った後ひどい雨漏りがしていることが解り、
賃貸どころではなく、腐敗など建物の維持が心配です。
引き渡し前不動産屋には短期賃貸専用不動産屋の下見にも立ち会ってもらいました。

重要事項説明に雨漏りの記載説明は全くなく、不動産屋も雨漏りについては
知らなかったとのことで現在現況確認してもらっています。

どうやら前所有者は雨漏りを知っていたが、現況引き渡しの為、申し出なかったようです。

交渉の際前所有者に取り壊しの前に一時的に住むことを伝えたが、
雨漏りのことの話はありませんでした。
短期賃貸不動産屋から賃貸希望者も紹介され簡易なリフォームも行いました。

重要事項説明をしなかったことで何某らの保証や賠償を請求することができるのでしょうか。


□■アドバイス:1

涌井です。以下に記述するのが法律的な根拠になると思います。
但し、私は法律の専門家ではありませんので、あくまで参考にして下さい。

売買契約における売主の担保責任について。
  (この部分は当社の相談コーナーには記述しません。)
売買契約における瑕疵担保には権利の瑕疵と物の瑕疵が有りますが、
ご相談の場合は、物の瑕疵にあたると思います。

売買の目的物に隠れたる瑕疵のある場合には、民法第556条の規定を準用して、
売主に担保責任を負わしめています。(民法第570条)
目的物の瑕疵というのは、通常その物に備わるべき性質の欠けている場合、
及びその物に存すべからざる性状が存する事であり、
また、売主の保証した性能が存しない場合も含み、
経済上その物の価値を減少するものを言います。

このような瑕疵が隠れたものであるとき、すなわち、
表見していない瑕疵が有る場合、取引をなすにあたり
通常支払われる注意をもってしても知りえなかった瑕疵に対して、
売主に担保責任を負わしています。
  (正しくご相談のケースが当てはまると私は思います。)

売主の担保責任の内容は
瑕疵あるために契約をなした目的を達する事が出来ない場合は、
買主は契約の解除が出来るとともに、損害賠償の請求権を有する事となります。

この契約の
解除及び損害賠償の請求は、買主が瑕疵を知ったときから1年以内となります。

但し、担保責任は任意規定となっています。
つまり、民法と異なる特約をしても差し支え無い事になると思います。
然しながら、売主が法定担保責任を負わない旨の特約をした場合であっても、
売主が知っていて、告げなかった事実がある場合、
売主はその責任を免れることはできません。(正しくご相談の場合にあたると思います)
(民法第572条)

  ★第556条
   売買ノ目的物カ地上権、永小作権、地役権、留置権又ハ質権ノ目的タル場合ニ
   於テ買主カ之ヲ知ラサリシトキハ之カ為メニ契約ヲ為シタル目的ヲ達スルコト
   能ハサル場合ニ限リ買主ハ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得 其他ノ場合ニ於テハ損
   害賠償ノ請求ノミヲ為スコトヲ得2 前項ノ規定ハ売買ノ目的タル不動産ノ為
   メニ存セリト称セシ地役権カ存セサリシトキ及ヒ其不動産ニ付キ登記シタル賃
   貸借アリタル場合ニ之ヲ準用ス3 前2項ノ場合ニ於テ契約ノ解除又ハ損害賠
   償ノ請求ハ買主カ事実ヲ知リタル時ヨリ1年内ニ之ヲ為スコトヲ要ス

  ★第570条
   売買ノ目的物ニ隠レタル瑕疵アリタルトキハ第566条ノ規定ヲ準用ス 但強制競
   売ノ場合ハ此限ニ在ラス

  ★第572条
   売主ハ前12条ニ定メタル担保ノ責任ヲ負ハサル旨ヲ特約シタルトキト雖モ其知
   リテ告ケサリシ事実及ヒ自ラ第三者ノ為メニ設定シ又ハ之ニ譲渡シタル権利ニ
   付テハ其責ヲ免ルルコトヲ得ス

(高原開発・涌井さん)



□■相談者より

詳細な回答ありがとうございます。
まず売買契約書の件ですが、今回に関連しそうな条項は次の通りです。

売買の目的物の表示には土地及び建物の表記があります。

 土地建物売買契約書

    第1条(目的および売買代金)
     売主は本物件を現状有姿のまま表記売買代金で売却し買主は
     これを買い受けます。

    第11条(瑕疵担保責任)
     売主は本物件について引き渡しの日から2ヶ月の間に
     発見された1~4の損傷または故障などの瑕疵に限り
     性能保証の責任を負わなければなりません。
     1白蟻による損傷2雨漏り3木部の腐食4給水設備の故障

    特約事項
     本契約書第11条の規定にかかわらず、売主は
     本物件の建物に関する瑕疵担保責任は負わないものとし、
     買主はこれを了承の上、本物件を買い受けるものとする。

 不動産屋の見解
   特約事項に記載されている様に売主に建物の瑕疵担保責任はありません。
   雨漏りについても具体的に記載されています。
   また仲介業者である不動産会社も法的に責任はないと思います。
   ただし道義的責任という意味で仲介業者である私が
   簡易リフォーム費用及び労働について
   数万円程度の金額を提供する意志はあります。

不動産屋の見解に買い主として即答は避けましたが、何点か疑問があります。

  1 雨漏りは引き渡し前から起きていたと思われる
   (2階の床が何度も濡れて腐敗していたので証明は可能だと思う。)が
    これについて売主が不動産屋にも説明していないことについて
    上記の特約事項が成立するのか。故意にあたらないのでしょうか。
    涌井さんの売主が法定担保責任を負わない旨の特約をした場合であっても、
    売主が知っていて、告げなかった事実がある場合、売主はその責任を免れる
    ことはできません。(民法第572条)がこれに相当するのでしょうか。

  2 不動産屋は古屋として販売したのであり、雨漏りを含め法的に責任はないし、
    雨漏りについては一定時期前に売主が住んでいた為雨漏りについては
    調査もしなかったし知らなかったということ
    また短期賃貸業者の下見に立ち会ったのはサービスとしてである
    という主張は正当なのか。仲介者の責任は問えるのか。

  3 短期賃借人が決定しそうであった事実があり、
    予定収入は100万程度を予想していました。仮に補償問題に発展した場合、
    今回の件は不動産屋が提案しているリフォーム費用規模の交渉事なのでしょうか。

最後にこの不動産屋の印象について
 売買に関してこれまで悪質な感じはないし
 交渉でも充分な対応をしてもらったと思っています。


□■アドバイス:2

涌井です。雨漏りを知っていながら、知らせなかったとしたら、
売主の責任は当然問われるべきです。
民法572条に該当すると思います。特約は無効だと思います。

業者が売主の場合は、業法40条にもっと厳しい規定がありますが、
仲介の場合は、私の知っている限り無いと思います。
特に、業者も知らなかった隠れた瑕疵の場合は、同じ業者として同情してしまいます。
 (厳しく言うと知らなかったでは済みません。
  業者として事前に確認しておくべきでしょう)

然し、ちょっと疑問なのは、業者しての道義的責任で数万円程度を提供する
と言う点です。本当に業者は雨漏りについて事前に知らなかったのでしょうか?
相談者さんの言うとおり、今一すっきりしない感じは致します。

実際の交渉としては、売主の責任を追及すべきでしょう。
そして、売主との交渉を業者に求めては如何でしょうか? 
業者に民法572条の有る事を説明して下さい。
そして特約は無効で有ると交渉しては如何でしょうか? 
取引主任者であれば、調べれば判る事です。

賠償金額等については、
相談者さんが、どの位の損害賠償を求めるのかと言う事です。
民事は殆ど交渉により示談、和解すべき問題です。
雨漏りの補修費用、腐った床の補修費用を求めるのが妥当かも知れません。
又は、予定収入の100万が駄目になったとして
100万円を請求するのも有りだと思います。

難しいかもしれませんが、冷静に客観的に
どの程度の金額が妥当か判断して請求すべきでしょう。
そして裁判の前に示談になるように努力してみて下さい。又、床の腐れについて
相談者さん自身が知らなかったのかどうかも重要な点になると思います。
570条はあくまで善意の買主のみに損害賠償や契約解除を認めています。
(高原開発・涌井さん)

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