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家主からの賃貸アパートの立退き補償について

■□相談内容 

アパートに6年暮らしています。
来月更新でしたが、突然、二世帯住宅を建てるので、
家主から退去してくれと言われました(猶予期間約1年)。

更新料を免除して、敷金を全額返還するのだから、それで出て行ってほしい
というのが家主の主張でした。もちろん、この条件に応じるつもりはありません。

なぜなら、私は前回も立退きを経験しています。
補償交渉でくたびれ果て、敷金全額返還と、補償金を支払ってもらっても、
最低限の家財買換えまで含めると、費用には少し足りず、何の特にもなりませんでした。
おまけに、ギックリ腰になり、治療費までかかりました。

今度こそと思い探したのが、現在の物件でしたが、
またもや、家主の勝手な事情で追い出される羽目になりました。
少なくとも、ここに引っ越して来るにあたり、
かかった費用は最低負担してもらおうと考えているのですが。
敷金、礼金、仲介料、運送費は当然として、
それに加えるプラスアルファ分はどのようなものが認められますか? 
最低限の家財買換え、物件探しにかかった時間と
経費労力に対する補償は認められるのでしょうか?

はっきり言って引越しは、プラスアルファの負担が大きいのが事実です。
仕事をしながら土日に物件探しに明け暮れるなど、したくもないし、そんな体力もありません。

私は、たとえ補償金を出してくれたとしても、退去したくありません。
退去しないで住み続けるには、どうしたら良いでしょうか?
また、補償金に同意して退去する場合、同意してから退去するまで、
どのくらい住み続けられますか?(一年以上あるのでしょうか?)


□■アドバイス:1

涌井と申します。
立ち退き料に関しては個別の問題で一概に言えません。
大家の更新拒絶による契約解除の理由によって変わります。
要求も多伎に渡っていますので、弁護士さんに相談しては如何でしょうか?

アパートの選び方ですが、新築の普通賃貸借契約のアパートを選べば、
すぐに転居と言う事は避けられると思います。

余談ですが、当地方では最近アパートや貸家に
3年の定期建物賃貸借契約を締結する場合が増加しています。
定期建物賃貸借契約は更新無しで、
継続したい場合は新規に契約を締結するものです。
これは最初から3年しか住めない契約ですから、はっきりしています。
当然3年だけですから立ち退き料等の問題も起きません。
この傾向は今後益々増加していくと思います。
(高原開発・涌井さん)


□■アドバイス:2

貴方の事情と気持ちはよく分かりました。
自分が貴方の立場ならば同じ気持ちになったかもわかりません。
でも、一歩引いて考えますと少し無理があるように思えます。

先ず、今の住まいは借りているものです。契約期間は2年です。
2年たったら契約が終了して立退く約束で借りたものです。
この度、家主の都合で来年の6月までに明渡してくれ、
との要求があったということですね。であるならば返すのがあたりまえです。
借りたものは返す、というのが大原則です。
家主の勝手な事情で追い出される羽目」とおっしゃいますが
猶予を与えられているのですから、無茶ともいえません。

貴方の頭の中には
家主に正当な事由が無い限り永遠に借りつづけられる
ということが入っていませんか。
借家人は弱者だから法律で保護されているのだ、
という考えが入っていませんか。
そろそろこの考えを変えないといけない時代になりました。

この正当事由の思想は昭和16年(太平洋戦争突入時代)に
借家人の夫や父が安心して戦地に行かれるように、
残された家族の住まいを確保するために作られた法律で、
それが今日まで残ってしまったものなのです。

平成4年8月1日に新借地借家法が施行されましたが、
建物の賃貸人は自ら使用することを必要とする場合等の
「正当な事由」がなければ、賃貸借の更新を拒み、
また解約の申入れをすることができないとされており、
この部分は旧借家法の精神が残っています。

しかし、新借地借家法では、正当事由の判断に際し、
「建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対し、
 財産上の給付をする旨の申出を考慮する」
ことが明文化されました。

貴方の場合は
貸主が二所帯住宅を建てるということ(自らが使用するとして)
ですので、正当事由になると思います。
これに立退き料として新たに借りるために必要な敷金、
礼金引越料、仲介料と貴方の要求するプラスアルファ
(これについては当事者間の交渉によります)
の支払いがあったならば出ざるを得ないと思います。

次に更新料について。
恐らく契約書には更新料のことは明記されており、
過去にあなたは更新料を払ったのでしょうから、
急に今度は払わないということになりますと貴方は契約違反になります。
この場合は法定更新ということになり、
家主は契約解除を申立て貴方はきわめて不利になります。
契約解除の判例もあります。補償金に同意して退去する場合、
家主は同意が成立した時点で「賃貸借契約解除並びに建物明渡猶予契約」
を結ぶことを要求してくるでしょう。
そして、簡易裁判所で即決和解の手続きを取るでしょう。
この和解調書は確定判決と同一の効力をもっています。
同意してから何年も住みつづけることは事実上不可能でしょう。
家主はきっと同意するはずがありません。

家主が補償金を支払わない場合、
貴方は出るつもりがないのですから、頑張っていればいいでしょう。
でも、これはつらいことです。毎日が不愉快でなりません。
もしも家主が家賃を受け取らないと言ったら、供託しておきましょう。
家賃不払いの状態を作ることはきわめてまずいことになりますので。
供託の仕方は専門家に聞いてください。

貴方の心の中である程度の補償金がもらえるなら仕方なく出よう
という気持ちになったら、まず家主と交渉します。
家主が応じないときは「民事調停申立て」を行います。
これは専門的になりますので弁護士か司法書士に相談するとよいでしょう。
家主側にもこの方法があります。

トラブルに巻き込まれないために涌井さんが言うように
新築物件なら比較的安心です。あるいは公的物件。公団、公社の物件。
貴方はトラブルと言いますが、考え方を変えて
「借りたものは約束の日がきたら返すのだ」という基本にたって下さい。

そして、はじめから定期借家の物件を借りたらいいと思います。
契約上期日が来たら必ず返さなければならないのです。
契約更新がなく、確定的に賃貸借契約が終了する新しい制度です。

ともあれ、貴方の述べている事情を考えますと出ないわけにはいかないようです。
そうならば、精一杯交渉して立退き料を沢山貰って出る作戦を立てることでしょう。
今年中に出るから補償金をもっと出せとか、来年の家賃はタダにしろとか、
家主ができそうなことで自分に有利な条件を考えてぶつけてみるのもいいでしょう。

私だったら家主との不愉快な関係はできるだけ早く解消して、
気分よく日々を暮らす方法を考えます。
嫌なことを言って申し訳ありませんでしたが、
もっと広くて愉快な住まいが見つかることをおいのりします。
(宮本さん)

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