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敷金以上の補修費の請求について

■□相談内容 

初めまして。自宅として使用していたマンションを、
転勤のため家を空けることになり、
不動産屋を通じて賃貸に出しておりました。
この物件が昨年度解約され、
そのときの不動産屋とのやりとりで少し分からないことがあり、
インターネットで情報収集していたら御社のHPにたどり着き
早速質問をしようと思いメールいたしました。
なにぶん素人でありますのでよろしくお願いします。

H9年9月からH15年9月まで6年間貸し出しをしておりました。
退去時、不動産屋から
「借主が、敷金の返還は、不要なので追加費用等の受付はできません」
との連絡があり、マンションの現状回復については、
大手の不動産屋の言うことであるからそんなに気にしていませんでした。
また、物件が、関西方面にあるため引渡し時に立ち会うことができませんでした。

しかし、年末に本物件を見に行くと
壁に直径15cm程度の穴、洗面台の下の扉化粧板の割れ等に気が付き
これは、追加費用が必要なのでは?との疑問をもちました。
また、部屋の管理状況も決して丁寧とは、いえない感じがしています。

   ・壁‐煙草のヤニによる変色。
    ポスターと思える後がくっきりと着く(3LDK各部屋+廊下すべて変色)
   ・カーペット‐大きなシミ(原因不明)
   ・天井‐壁と同様
   ・ふすま、畳については、経年劣化

先日、不動産屋にそのことを伝えると
「その程度はしょうがないですね。
 その程度で文句をいわれるのであれば、貸さなければいいですよ」
といわれてしまいました。

  家賃     88千円
  敷金3ヶ月分 264千円
  
次回賃貸に出す場合の部屋の補修費用 450千円(不動産屋見積もり)
差額が大きいのでチョット戸惑っています。

不動産屋への補修についての交渉もあり、
また、今後のこともありますので、以下のことについて教えてください。

  (1)敷金以上の補修費を請求することは、困難ですか?
    不動産屋は、現在の賃貸契約に関する法律により
   それ以上は、困難と言っています。
  
  (2)仲介不動産屋の責任範囲は?(代理確認者として)インターネットを
    調べますと借主が、不動産屋相手に敷金の返還を求めて
    訴訟を起す事例が多く載っており、逆のケースが少ない
  
  (3)貸す前の契約条件のつけ方


□■アドバイス:1

原状回復とは、例えば和室を洋室に模様替えしてしまったので
元に戻すということを言います。
新品で貸したのだから新品で返せという権利ではありません。

今おっしゃっている原状回復費用は損害賠償の事だと思います。
ボードに穴を空けてしまったのは借主に過失があると言えるので請求できるでしょう。
経年劣化の部分は借主に過失がないので請求できません。
たばこのヤニは微妙です。特約がないとした場合の判例は過失有り、
過失無しどちらとも確定していません。
しかし、たばこのヤニは過失であるという特約をしていた場合は、
それが有効であるケースが多いようです。

  > (不動産屋見積もり)

借主が負担すべき割合を各項目別に出して貰い、それが
敷金相当額と比較してどうであるかを確認しましょう。

  > (1)敷金以上の補修費を請求することは、困難ですか?
  
理由があればできます。

  > 不動産屋は、現在の賃貸契約に関する法律によりそれ以上は、困難と言ってい
  > ます。
  
「敷金以上は請求不可」という法律はありません。根拠条文を示させてみてください。

  > (2)仲介不動産屋の責任範囲は?
  
仲介業者が部屋を使ったわけではありませんし、負担すべく借主の債務を
免除したというわけでもないでしょうから法的な追求は難しいと思います。
しかし、このようなトラブルは当然に予見できるので、予め説明をすべきでしたね。

  > インターネットを調べますと借主が、不動産屋相手に敷金の返還を求めて訴訟
  > を起す事例が多く載っており、逆のケースが 少ない
  
不当に、敷金を返還しない貸主が多いので訴訟をする借主が多いのでしょう。
逆に、敷金を超えるケースで貸主に勝ち目のある物は少ないからかもしれません。

  > (3)貸す前の契約条件のつけ方
  
前述のように特約を設けることは可能です。もちろん、闇雲になんでも有効と
なるわけではありませんが、事前にプロが説明をしてあげるべきでしょうね。

(集住企画・中村孝司さん)


■□相談者より

早速の投稿ありがとうございます。大変、勉強になります。
申し訳ありませんが、さらに質問をさせていただきます。

  > ボードに穴を空けてしまったのは借主に過失があると言えるので請求できるで
  > しょう。
  
このことは、今度賃貸に出すときに不動産屋さんに事前に確認することにします。

  > 借主が負担すべき割合を各項目別に出して貰い、それが敷金相当額と比較して
  > どうであるかを確認しましょう。
  
借主の負担分と補修費用の見積もり書を頂いておりますが、
敷金相当額との比較方法としては、

  (1)汚れのひどい部屋についてのクロス張替えは、借主負担となっています。
    →これは、OKと思っています。
  (2)洋室のカーペットの汚れ。かなりひどい部分があり、借主は、クリーニング
    費用のみ修復では、張替え。
    →これについては、チョット?(聞いていた以上に汚れがひどく確実に張替
     えが必要)約6万の持ち出しになります。
  (3)修復の見積もりには、その他、洗面、トイレ、汚れの程度が比較的少ない部
    屋のクロス張替え等の費用が計上。
    →これについては、次回貸し出しの際、やっておいたほうが良いとのコメン
     トが付いていましたので打合せが必要と思っています。

上記(3)の費用が、約13万、(2)の費用が約6万が余分にかかることになりますが、
この比較からすると具次に貸し出す時への投資(早く借主を見つける)為の
費用として妥当な金額になるのでしょうか?

  > 「敷金以上は請求不可」という法律はありません。
  > 根拠条文を示させてみてください。
  
今度、この辺のところをやんわりと聞いてみることにします。
細かい質問となりますが、今後の参考としたいためよろしくお願いします。


□■アドバイス:2

自動車事故などで相手の車を過失によって全損させた場合、
新車価格ではなく、時価額で賠償しますよね。
今回の損害賠償も、借主に過失があるからといって、借主が
新規貼替え費用全額を負担する必要はありません。
6年賃貸をしていたのですから、過失なく使用していたとしても
経年劣化が生じますので、なんの特約もない場合、大まかな数字ですが
借主負担率は20~60%程度になると思います。

これらをふまえて、適正に算出した借主負担額が
敷金に比較してどうかが肝心です。仲介業者の説明の仕方も悪いですね。

  > →これについては、チョット?
  
貼替えが必要であるのに、クリーニングの見積を提示したのであれば
仲介業者に過失がありそうですね。
そのことによって、いまさら借主に貼替え費用を請求するのは困難で、
貸主は損害を被ったと言えるかも知れません。
そもそも、貸主の了解なくそのような話をまとめてしまったのは
越権行為かも知れませんね。

  > 打合せが必要と思っています。
  
この部分は、借主の過失はないと思うので、請求は不可。
やるかやらないかは貸主の自由ですね。6年というと、確かに微妙な時期です。

  > 今度、この辺のところをやんわりと聞いてみることにします。
  
ただし、実際問題として敷金以上に請求するのは
かなり困難である場合が多いことは事実です。「法律」はありませんが。

(集住企画・中村孝司さん)



■□相談者より

色々と細かいところまで教えていただきありがとうございました。
次回の参考にさせていただきます。

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