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店舗の原状回復の見解の違いについて

相談内容 

わたしは、10年ほど経った貸店舗に居抜きで入居し飲食店を経営していました。
差押さえで大家が変わり、契約満了時、不景気のため
賃料値下げを3割要求しましたが応じてもらえず、賃料交渉でもめ、
1ヶ月弱ほど契約期間外の居座りの形にはなりました。
交渉決裂で、賃貸借契約を解除しました。

店舗内設備は前の借主さんから買ったもので、
出て行くときは店舗をすべて壊していくと主張し、
壊さないようにとの大家と意見の一致を見ないまま、
自分で取り壊しました。

わたしは、前の借主さんから、賃貸借契約を敷金の継承を含め、
確かに引継いでおり、その証拠に、前の借主さんの賃貸借契約書を所有しています。
その後、大家から、店舗を標準店舗に修復するよう要求されています。
わたしが、無権利な破壊を行ったとの書面を送りつけてきました。

確かにわたしは店を買いました。しかし、このたび壊してしまったのが、
コンクリが全て見えるように、むかしの職業である建築屋家業を生かして
徹底的に、壁、床、天井、電気、ガス、水道下水管をぬいてやるつもりでやったのです。

わたしはこれを、知合いの不動産屋さんに「店舗の原状回復はスケルトンです」
と聞いて、それを実行したまで、大家の要求はおかしいと思います。
大家の要求を止めさせ、はやく敷金を取戻すにはどうすればいいでしょうか。




□■アドバイス

詳しい日程がわかりませんので一般的な回答です。

現在の大家さんに敷金の返却を求めることは、
本年4月1日より改正担保法及び民事執行法により不可能となっています
(但し賃借人、賃貸人の特約があれば請求できます)。
ですから敷金の返却を求める先は前大家さんということになり、
相談者さんの要求は筋違いということになります。

次に原状回復についてですが、通常契約書に原状回復の範囲が
記載されていれば問題にはならないのでしょうが、
現実にはあいまいな契約書が少なくないようです。
通常居抜きで賃借された物件であれは、その賃借をした時点での
原状回復も成り立ちます。つまりそのまま取り壊しもせず退去出来るわけです。
相談者さんの場合、スケルトンにするには
労力も費用もかかっているわけですから、普通はやらない行動といえます。

また、原状回復の程度が、床、壁、天井を残しかつ電気は配電盤(分電盤)まで、
給水設備はメーターまで、及び下水道はもともと設置されていた可能性があります
(標準店舗とはそのような状態を言っているのかもしれません)。
その場合相談者さんの行動はやりすぎということになり、
現大家さんの主張は順当ということになります。

ここはやはりよく話し合うことだと思います。

(朝日設計企画LIXY不動産INZ 松岡國夫さん)




■□相談者より

松岡國夫様、早速のご返事、ありがとうございました。
賃貸借契約は去年の年末が期限ですが、知合いの不動産さんに
「敷金はどんどん請求すべきだ」と強く言われます。

他方大家は、原状回復を「標準店舗というものを飲食店の内装で、
電気、ガス、水道、給湯までを行い、必要衛生設備とエアコン、
空調を備えたもの程度で良いので、厨房設備、収納などはいらない」と、
まるで譲歩したそぶりで主張しています。
つまり、退去前店舗の店内設備である厨房設備、店内装飾、収納設備など
全て撤去し、飲食店舗として標準的な内装を要求しているのです。

このような要求がなされるとは、親しくしていた人の言葉を
都合よく解釈した自身の判断の甘さなのか、納得しがたい事態です。
以下の、似た事をお尋ねするのをお許しください。

   1.わたしは店舗を買い、前賃借人に支払った金銭は、当然、壁、床、天井など
    構成材及び附属するもの(エアコン、換気設備)に対する所有権となってい
    ると考えておりましたが、退去する時点で、自由に処分(解体、持去り)す
    るのは間違い、ということでしょうか。

   2.「通常居抜きで賃借された物件であれは、その賃借をした時点での原状回復
    も成り立ちます」と言うような事が認められれば、店舗を再構築するのに等
    しく、店を新しくするのに手を貸したようなものです。標準店舗というのも
    ほぼ同様なものです。原状回復の原状が、スケルトン以外になるのを防ぐ主
    張の方法は、なんとか良いものはないでしょうか。




□■アドバイス:2

再度わかる範囲の回答になりますが…。

契約期限が昨年末ということであれば、新法の施行は4月1日からですから
敷金の返還を現大家さんに請求することは可能です。
「他方大家は、原状回復を標準店舗というものを飲食店の内装で…」とのことですが、
これらのことはすべて契約書に明記されているか否かということになります。
明記なき場合は応じる必要はないと考えます。

次に「1.」の買い取った造作権については自由に処分することに
間違いとは言いませんが、これも契約書に乗っとった処遇が必要となりそうです。
通常は本契約終了時には買取請求権を放棄する旨が記載されており、
原状回復を義務付けられているケースが多いのですが
(この場合原状回復はスケルトンを想定しているようです)。

「2.」の意味はおっしゃられているようなことではなく、居抜き店舗買取後
なんの手も加えなかったとすればその現状のまま退去も可能ではないかと言う意味です。

契約書によって原状回復の範囲が明確にわかるといいのですが。

(朝日設計企画LIXY不動産INZ 松岡國夫さん)




■□相談者より

松岡國夫様、お返事ありがとうございました。
勇気づけられるご返事でなによりなのですが、状況は短期間に最悪になりました。
通知によると、いわゆる刑事罰を求められそうです。

ご指摘のとおり、建物に対する処置が悪かったらしく、
また賃貸事業を妨害したとかの理由もあるとか。話し合いによる解決を
提示した大家の意思を無視した立証しない権利の乱用とも。

夢にも思わなかったところから、呼び出しがきました。
「店を買った証明をしなさい」と知合いの不動産屋さんは言います。
しかし、「それは前の借主さんの敷金継承した証明として、前の借主さんの
賃貸借契約書を所有している」と言うと、
「それだけなのですか。売買明細は特にないのは困りました。
 なにかいい証明方法はないですか」と言う態度です。

わたしは以前よりその事を見せて伝えていたのに、何もかもだめに見えてきました。
原状回復についても、10年もの前だとスケルトンはめずらしいかもしれませんが、
上の階の配管も天井露出では…などと言う事があいまいになっています。
何とかならないでしょうか。よろしくお願いします。




□■アドバイス:3

「コンクリが全て見えるように、むかしの職業である建築屋家業を
 生かして徹底的に、壁、床、天井、電気、ガス、水道下水管を
 ぬいてやるつもりでやった」
この部分、相手側にとっては格好の材料になりそうですね。
あなたが「悪意をもって壊した」と告白してしまっているのですから。

(集住企画・中村さん)



□■アドバイス:4

切迫しているようですので、一言言わさせていただきます。
本件については内装造作に係る所有権の帰属の問題だと考えます。
内装に関して積極的に主張する根拠(即ち店舗賃借権を引き継いだ時に
各種の明細等について所有権の帰属が不明である)が乏しいのであれば、
その造作を大家自らのものであると主張できるだけのものはあるのでしょうか?

相談者さんの以前の入居者が自ら店舗を開業する際に
設置したものではないのでしょうか?
その辺の当時の内装工事の見積書や発注書等は保管してないでしょうか?

また、原状回復の定義を含め冷静に話をされる事をお考えになった方が
良いと思います。特に大家側が法律的主張を元にしてきているようなら、
弁護士に相談されることをお勧めします。

(トリム・佃泰人さん)

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