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敷金について

相談内容 

福岡・40代男性
敷金の精算について地域によっても異なる様ですし、
最近は自然損耗に関しては貸主負担などといわれます。

中古住宅の借家の場合、中古だからそれなりの内装で充分と考える入居者と、
中古でも内装は新品同様のきれいな家に入りたいと考える入居者がいます。
もし貸主と借主が前者を望む場合と、貸主と借主が後者を望む場合では、
敷金の精算額(敷引き)に差が発生して当然ではないでしょうか?

入居時に中古住宅でも、内装は新品同様のきれいな家に入りたいと主張して
入居し、退去時は、中古住宅なので、このままの状態で
次の人を入居させれば良いから敷金は返してください…
では平等な契約とは感じませんが、いかがでしょう?

私は、自分が大切にしていた家を、きれいな借家として
使用していただきたいので、敷引き○ヶ月とはっきり表示して
契約しているのですが、何故、入居前に敷引き○ヶ月に納得して入居して、
退去時に返してくれ…が正しいのでしょうか?

契約条件に納得がいかないならば、入居しなければ良いのではないでしょうか?
現在住宅は他にも沢山あるのですから。
何故、契約を守らないことが正しいのでしょうか?




□■アドバイス:1

関西独特と思われていた「敷引金制度」は、福岡にもあるのですね。

さて、言われていることは、心情的にはよく分かります。
ただし法律から言うと、「敷引金」は「原状回復費用」とすると、
それは「賃料の二重取り」として、返還しなければならなくなります。

そこで「敷引金」は
   1.期間途中の解約を認めるための賃料補填費用
   2.貸主の希望賃料を下げていることによる補填費用
   3.自動更新による、更新手数料を免除するための費用
と言うような重要事項説明を行い、敷引きを行ってきた訳です。

しかし、上記のような説明で納得の上行った契約の敷引金も、
今般消費者契約法10条により、無効との判決が下されました
  (平成17年7月14日、神戸地方裁判所にて。
   平成16年(レ)第109号保証金返還訴訟事件。
   原審:神戸簡易裁判所平成16年(ハ)第10756号)

従って、賃借人から返還請求が出た場合、
不本意であっても感情的にならず、
穏便に和解するのが良いのではないでしょうか。

 (マック住研・清水さん)




■□相談者より

清水様、ご回答ありがとうございました。感謝いたします。

今回の裁判事例には以下の不備があったようですが、
「(▼)」の部分を全てクリアしていてもだめなのでしょうか?

  京都地判平16・3・16は次の通り判示しました。
   判決(一部)
    これに対し、賃貸人は将来の自然損耗等による原状回復費用を
    予想することは可能であるから、
    (▼賃貸人は予想して○○万円とした)
    これを賃料に含めて賃料額を決定し、
    (▼入居月数が決定されず月数で割れなかった)
    あるいは賃貸借契約締結時に賃貸期間に応じて
    定額の原状回復費用を定め、
    (▼賃貸借契約締結時に賃貸期間2年で
     ○○万の定額の原状回復費用を定めた)
    その負担を契約条件とすることは可能であり、
    (▼その負担を契約条件とした)
    また、このような方法を取ることによって、
    賃借人は、原状回復費用の高い安いを賃貸借契約を締結する
    かどうかの判断材料とすることができる。
    (▼原状回復費用の高い安いを、
    賃貸借契約を締結するかどうかの判断材料として納得し契約した)




□■アドバイス:2

平成17年7月14日、神戸地方裁判所の判決によると、
  「(前略)関西地区における不動産賃貸借において敷引特約が付されることが慣
   行となっていることからしても、賃借人の努力によって敷引特約を排除するこ
   とは困難であり、賃貸事業者が消費者である賃借人に敷引特約を一方的に押し
   付けている状況にあるといっても過言ではない。以上で検討したところを総合
   考慮すると、本件敷引特約は、審議則に違反して賃借人の利益を一方的に害す
   るものと認められる。(後略)」
として、消費者契約法10条により無効とされています。

判決内容を読んでいると、賃貸事業者は常に敷引特約の入っている契約書を
用いて契約を行っており、それが一方的に押し付けている状況にある
というような判決文になっているように読み取りました。

従って、あなたが言われている▼の部分を印刷ではなく、
契約書の特約欄に手書きで書き加え、賃貸人・賃借人が夫々署名・捺印を行う
と言うような契約をすれば、かなり防げるのではないかという気がします。

ただし、それで必ず防げるのかと言うことについては、
弁護士等の法律家にご相談いただくこととなります。
もっとも、弁護士等でも意見の分かれることとなると思われますが…。

 (マック住研・清水さん)




■□相談者より

賃貸事業者は、常に敷引特約の入っている契約書を用いて
契約を行っているときに問題となるようですね。

修理費用を家賃に入れれば問題はないのでしょうが、
入居期間が定まらないので、家賃に入れられません。
そこで敷引特約となるのですが、
多くの借主貸主が疑問を感じていますので、
契約の模範例があれば助かるのですが…。

どうもありがとうございました。




□■アドバイス:3

  >契約の模範例があれば助かるのですが…。
 当社の賃貸借契約書の「解約引」に関しての記述は、
  「甲は契約期間が満了した日(以下「契約終了日」という)
   より1ヶ月以内に頭書敷金より○○万円を差引き、
   残額を乙に返還するものとする」となってます。

 ただし、重要事項説明書には、
  「敷引(解約引)金は、次のものを補填するための合計費用です」
 として、7月28日付けのコメントに書いている3項目を説明しています。

 これを行った上で、契約書の署名欄に、
  「本契約書全文通読の上、署名捺印したことに相違ありません」
 と賃借人の自署で頂くことにより、かなり回避できると思われます。

 これ以上は弁護士さんにご相談ください。

 (マック住研・清水さん)

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