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夫婦共有名義について

神奈川・30代男性
はじめまして。住宅を購入予定ですが、
事前に購入分住宅の財産の権利を夫婦で分けておきたいと思います。
権利を分けるには、何をする必要があるのか悩んでいます。

一般的には名義を比率で分けることで良いのかと思いますが、
「名義を分ける」とは、具体的に売買契約上の問題なのでしょうか?
それとも登記上の問題、あるいはその他の問題なのでしょうか?

  以下に相談内容をまとめます。

  【相談】
   ・購入不動産の権利を事前に夫婦でわける方法は、どれが必要ですか?
     1.具体的に売買契約を共同名義にする。
     2.登記上で比率配分する。
     3.その他

  
   ・財産を配分するにあたり、結婚前のお互いの所有財産や結婚後の年収や、
    住宅購入のためのローンの名義などが条件となるのでしょうか?

   ・配分した財産の比率は数年後に変更することができますか?
    変更ができる場合、一般的にどのくらいの費用がかかりますか?

   ・そもそも事前に不動産の財産配分を分けておくことに、
    以下の観点においてメリットはあるのでしょうか?
     1.離婚時の財産分与
     2.死別時の相続
     3.税法上(贈与税、相続税等)

お手数ですが、以上、アドバイスいただきたく、よろしくお願いいたします。



□■アドバイス:1

「売買契約を共同名義にする」は、当然、売買契約書も連名になります。
「登記上で比率配分する」は、これも当然、登記簿に持分が表示されます。
 
「財産を配分するにあたり、結婚前のお互いの所有財産や結婚後の年収や、
 住宅購入のためのローンの名義などが条件となるのでしょうか?」
は、実際の購入費用の出資比率分になります。
ローンの場合も同様で実際借り入れする時の比率によります。

「配分した財産の比率は数年後に変更することができますか?
 変更ができる場合、一般的にどのくらいの費用がかかりますか?」
は、これ持分の変更と言うよりは、一方の持分を一方が購入するとか、
贈与するとか、相続するとか…、権利の変更に従います。

「離婚時の財産分与」は、実際に奥さんにしてみればメリットがあるでしょう。
「死別時の相続」は、まぁ、夫婦間=配偶者ですから、相続でのメリットは
あまり無いでしょう。

「税法上(贈与税、相続税等)」は、夫婦間では、住宅に関しては
2,000万の配偶者控除がありますし(この要件については調べてみて下さい)、

また、相続は配偶者の場合は約1億円未満の場合は気にする必要は無いと思います
(この点についても、詳しい事は調べてみて下さい)。

持分登記は、メリットとかデメリットの問題よりも、
実際に購入資金の拠出割合で考えるのが一般的だと思います。

(高原開発・涌井さん)




□■アドバイス:2

「売買契約を共同名義」、「登記上で比率配分」は共に必要です。
共有する必要があるのは、不動産の購入資金を複数の方が出した場合、
1人の名義で登記すると、登記されていない方から登記した方への
資金贈与と見なされるからです。

「財産を配分するにあたり、結婚前のお互いの所有財産や結婚後の年収や、
 住宅購入のためのローンの名義などが条件となるのでしょうか?」
は、財産をそれぞれ幾ら持っているからではありません。
その不動産を購入する資金の比率と同じ比率で登記して下さい。
土地と建物、それぞれ同じ比率にします。

例えば、1,000万円の不動産を購入する場合、
ご主人が800万円の借入れをして、奥様が自分の預貯金から200万円の頭金を出した場合、
ご主人が5分の4、奥様が5分の1の持ち分として登記します。
契約書に持ち分を明記する必要はありませんが、契約者はお2人になります。

「配分した財産の比率は数年後に変更することができますか?
 変更ができる場合、一般的にどのくらいの費用がかかりますか?」
は、持ち分の変更というのは、夫婦間での贈与又は売買になります。
万一、贈与であれば、贈与税が発生する場合があります。
奥様がご主人の持ち分を購入すれば、売買による取得になります。
但し、夫婦間の売買は書面や資金の流れなどに充分気をつけて下さい。

「離婚時の財産分与」は、財産を分割する場合、不動産は共有財産ですので、
売却して現金にしないと財産の分割ができません。
どちらかというとデメリットですね。
一方に持ち分を譲るのであれば、持ち分を移転するだけです。

「死別時の相続」は、被相続人の名義分について相続人が相続します。
その不動産に限って言えば、不動産の全部を所有しているよりも、
少ない財産の相続になります。

「税法上(贈与税、相続税等)」は、贈与税については上記に書いたとおりですが、
婚姻後20年を経過すれば、配偶者控除が利用できますので、マイホームの贈与に限り
2,000万円まで課税されません。相続については配偶者控除16,000万円や、
基礎控除5,000万円+1,000万円×相続人の数   があり、
全ての財産が16,000万円を超えるようでしたら、相続対策などが必要です。
ファイナンシャルプランナーや税理士に相談して下さい。


(アットホーム・香川文人さん)




□■アドバイス:3

離婚時の財産分与に関して、香川さんからのご意見で、
「財産を分割する場合、不動産は共有財産ですので、売却して現金にしないと財
 産の分割が出来ません。どちらかというとデメリットですね。
 一方に持ち分を譲るのであれば、持ち分を移転するだけです」
と言う投稿がありましたが、この点については正しいし、正にこの通りなのですが、
現実ではどうかと言うと、私の経験上、メリットの方が大きいことが多かったので、
何故、メリットがあるのかと言う点についてだけ、補足しておきます。

仮に、離婚する方が資産家では無く、一般的な夫婦として考えますと、
その離婚原因のかなりの原因は、夫による浮気とか、
サラ金等の多重債務による場合が多いのです。
また、姑と上手くいかないケースもあります。

まず、夫による浮気の場合は、給料のかなりを浮気相手に貢いでしまう男性が
多いのが実態です。妻に内緒で定期預金を崩してしまうとか…。
中には子供の教育用の預金まで貢いでしまう男性もいます。
サラ金による多重債務の場合は、浮気が原因だけでは無くて、
パチンコ競馬などのギャンブルに狂ってしまうとか…。
その様なケースの場合、共有名義では、奥さんに内緒で勝手に抵当に入れたり、
売却してしまう事は不可能になります
(勝手に権利書と実印や印鑑証明を持ち出した場合は除きます)。
それが旦那さん名義だと、酷いケースでは、奥さんに内緒で家を売ってしまったり、
借金の抵当に入れてしまったりします。そして、離婚時には殆ど現金がなくなっている
ケースがかなりあり、損害賠償の支払い能力がなくなってしまっている
ことが多々見受けられます。

資産家の場合や現金を多く持っている方は問題ないのですが、
普通の夫婦の場合は、支払う事が出来ない場合や、
意外に離婚時の賠償金額の低さに驚いてしまうのが実態です。

確かに、売却する手間は必要ですが、いざという時には「最後の資産」として、
かなり役に立ちます(これで救われたケースを何件か見ています)。

余談ですが、姑など年寄りとの同居が上手くいかない離婚は、普通は旦那さんが
長男で、元々親の持っている家に同居しているケースが多いのですが、
例えば、若夫婦が、家を新規に購入するかアパートを借りて出れば、
離婚にはならないのものの、夫が承諾しない時には離婚になるケースがあります
(実は明日、当社で契約する土地付建物売買契約は、まさしくこのケースです)。

考え方はいろいろありますし、否定は致しませんが、家の持分を出したお金の分
だけ持っているのは、離婚時のデメリットとは言えないと思いますし、
たとえ持分とはいっても財産は財産です。

但し、貴方が男性の場合は、自分の自由には出来ないと言う点で、
デメリットと言えるかも知れません。

(高原開発・涌井さん)




■□相談者より

香川様、涌井様、わかりやすい説明、アドバイスありがとうございました。

我が家は夫婦共稼ぎなので、妻の稼ぎ分もあり、
妻がこれから購入するマンションの権利を主張しているため、
このような質問をしました。

夫婦で別々に収入の割合に応じて資金を借り入れれば、
持分比率がハッキリするのですが、妻は、今の会社での就労期間も短く、
また、私1人で満額借り入れが必要なため、銀行の協力を得にくい状況でした。
そんなのは銀行がおかしいとお思いでしょうが、何のからみなのか、
銀行はローンを分割されるのを嫌がっているというのが現実のようです。

で、我が家では、お互いの収入分に応じて、予め、5年後の妻の収入からの
ローン返済への拠出分を計算し、5年後に、妻の拠出分を持分分配して
登記する旨を公正証書に残し、公証役場に提出しておくことにしました。

このアイデアはどうでしょうか?想定できる問題があればご教示願います。




□■アドバイス:4

5年後の件につきましては、公正証書で証拠を残してあり、
税務上も大丈夫だろうと思いますが、次のような方法もあります。

奥様の収入があるということですので、夫婦2人が収入に応じて
返済するものであれば、住宅ローンの借入れを連帯債務とし、
その収入の比率に応じて持ち分を決め、共有登記が可能です。

これなら最初に登記をしますので、後で名義を変更する際の
登録免許税や司法書士の報酬が不要です。


(アットホーム・香川文人さん)

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