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重説不備による場合の値下げ交渉について

相談内容 

神奈川・30代男性
はじめまして。
この度、不動産屋さんを通じて、鎌倉にある物件を購入しました。
ハウスメーカーも決まり、あとは土地の決済を待つのみです。
ところが、以下の2つの問題が浮上しました。

  ■1つ目の問題

   売買契約と交わした際、土地面積と有効宅地面積の内容が曖昧でした。
    ・売主   ⇒ だいたい全体の85%が有効宅地面積
    ・仲介業者 ⇒ 85%はおかしいから80%が有効宅地面積

ハッキリしたくて、確認をしたのですが、
「一応、こういうことになっています」との一言で流され、
重説の備考欄に、
    ・だいたい法地面積20%、有効宅地面積が残り80%
と書かれています(現地優先とも登記優先とも書かれていません)。

これに対して、測量図のコピーを添付資料として頂きましたが、
後々、ハウスメーカの方が現地調査を行い、
できあがった測量図を見ると、壁の厚みが異なり、
最大で1mのずれがあり、現地の有効宅地面積が狭いことが発覚しました。


  ■2つ目の問題

   文化財保護法について、重説にこれを記載する部分があるのですが、
   不動産業者の見落としと書類作成ミスで、保護地区であるところを
  「保護地区でない」とされ、そのまま売買契約を交わされました。

   本来なら、売主も重説の読み合わせをして確認をするべきなのですが、
   仲介業者を信じて、黙って実印を押していました。

   結果、家の着工の前に、市への届出を申請する必要があるらしく、
   万一、埋蔵物がみつかった場合は、着工が遅れる可能性があり、
   掘り起こした後の埋め戻し費用も負担することになるそうです。

自分としては、土地自体を気に入っており、
できることなら、このまま決済したいと思っています。
ただ、このように、売買契約書に不備があった場合、違約による契約解除
(売買価格の20%)を盾に、土地の値引き交渉が可能なのでしょうか?

もし、違約でなければ、手付金解除で手付金倍返しすれば、
このような契約書の不備があっても、契約を解除できるのでしょうか?

今回の場合は、書類の作成をした仲介業者と
売主の無責任で起きた問題にもかかわらず、
売主は罪悪感を感じてなさそうで、
  「だったら、契約自体なかったことにしてもいいよ」
と言っていると、仲介業者から伺いました(この話は音声録音してあります)。

どなたか、よきアドバイスをいただけたら幸いです。




□■アドバイス

私見ですが、以下、まとめます。

  ■1つ目の問題
   測量図の誤差については、土地家屋調査士等が隣地立会いの元に
   光学式で作成したものでない限り、正確とは言えないでしょう。
   業者の添付したものが地積更正時の測量図、もしくは土地家屋調査士が
   隣地立会いの元に作成した図面であれば、そちらが正確になると思われます。
   ハウスメーカーの現地測量は、職人が行っている場合、
   正式な実測とは言えません。

  ■2つ目の問題
   文化財保護法についてですが、これはかなり大きな問題です。
   理由は、既にご存知の通りです。

   届出だけで良いのでしょうか?
   一定間隔で溝を掘る事前調査は必要無いのですか?
   当然、自己負担で、確か必要だったと思うのですが…。
   都道府県や市町村によって違うのですかね?

   私見ですが、調査や復帰に伴う費用を、
   業者や売主に負担して頂くのが宜しいかと思います。
   工事の遅れについては、貴方自身がどこまで我慢できるか…だと思います。

   問題は、事前調査等で実際に出土した場合です。
   保護地区以外なら、
   「こんな物は、前の住人の捨てた茶碗のひっかけだ」とか言って、
   埋め戻す人が多いのですが、保護地区だとそんな訳にはいきません。
   大昔の文化遺産なんて出土したら、どの位、長引くかも解りません。

売主の言う通り、今の内に契約を無しにするのもありな感じもします。
その辺りのことは貴方自身が決めることだと思います。

ところで、その業者は地元の保護地区も知らなかったのですか?
ちょっと疑問を感じてしまいます。
(高原開発・涌井秀人さん)



■□相談者より

涌井さん、コメント、ありがとうございます。
また、返事が遅れてすみません。

  ■1つ目の問題
   有効面積の誤差は、値引きで対応してもらいことにしました。

  ■2つ目の問題
   鎌倉市に確認をして、既に過去に試し掘りをしているため、
   申請だけすれば、特に調査をする必要はないと、
   ハウスメーカーの方で確認を取っていただきました。

これらの件に関しては、元はといえば不動産屋(仲介業者)の
注意不足が原因で起きたことですから、その旨を話し合い、
こちらも、仲介手数料の値引きという形で何とかケリがつきそうです。

結果として、売主側で土地価格から50万円、
不動産屋で仲介手数料から50万円の合計で100万円で、
合意をしようと考えています。

売買契約書に不備があったことは、営業停止にもなりかねないのであれば、
いかほどの金額が妥当なのか知りたかったのですが…。
(違約に該当するのであれば、損害賠償として750万円請求できるのですが、
 このような場合、何処までが違約なのか判断できなくて困りました。
 それに自分自身、土地を気に入ってて今更手放したくないので…)




□■アドバイス:2

  ■1つ目の問題
   それは良かったですね。

  ■2つ目の問題
   既に調査が終っているのであれば、問題ないはずです。

私見ですが、重説の記載違いにつきましては、今回のケースでは、
行政処分の対象の範囲だと思いますので、その行政処分(恐らく注意程度)を
一概に金額に換算することはできないと思います。

もし、故意に重説違反があった場合
(違反であることを知っていて騙す意思があった場合)は、刑事罰の対象となります。
この場合は「警察への告訴→書類送検」という刑事訴訟法に則った手続きとなります
(当然、有罪となれば懲役・罰金となります)。

しかし、今回のご相談のケースは、それほど悪質なものではなく、
単なるミスでしょう。土地の有効面積の件は別として、
重説ミスによる損害賠償は、基本的には実損であるべきだと思います。

貴方が今回の取引で実際にこうむった被害額を請求すべきだと思います。
既に調査済みということになりますと、
基本的には実損もあまりないと思いますが、いかがでしょうか?

なお、仲介業者が県の指導を免除してもらうために、
貴方と交渉し、承諾して支払う金額があるとするならば、
それはケースバイケースであり、私はその金額に関しては、はっきり言えません。

また、今回は業者が売主ではなく仲介ですから、
違約というよりは、宅建業法第35条(重要事項の説明等)違反であると思います。
この35条には第3項の取引主任者証の提示義務違反を除いて、
刑事罰はありませんので、都道府県の行政指導の対象となるのみと考えられます。
(高原開発・涌井秀人さん)




■□相談者より

早急なお返事、ありがとうございます。
確かに、土地の契約を煽らせるために、埋蔵文化保護の件を
あえて伏せていたかもしれないという疑いは消えません。
実際に、土地を私に紹介する前に、営業の方が市役所に事前調査を行い、
その報告書には、保護地区だと明記されていたのを見せてもらいました。
このあたりを指摘して、今後も誠意を持って仲介していただきたいことを
伝えたいと思います。色々とアドバイス、ありがとうございました。

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