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重説不備による場合の解約交渉について

相談内容 

東京・40代女性
はじめまして、どうぞよろしくお願い致します。
先日、フリープランという名目で土地売買契約、
同時に工事請負契約を締結致しました。

契約の際、口約束でバルコニーがつくと言われたものが、
設計の段階になって、斜線制限のためつかないと言われたり、
契約の際の間取りプランの面積に間違いがあったりなど、
契約から今まで、1ヶ月以上、ゴタゴタが続いておりました。

そして、ようやく先日、なんとかこのまま話を進めていくということになった
ところで、新たに契約面積と実測面積が1坪半程減ってしまう話になりました。

実測面積が1坪半減ると、決定していた間取りも2坪以上減ってしまい、
今までの設計通りの家は建たないとのことですので、新たに設計プランを提案し、
減った分坪単価での値引きをするとの話になりました。しかし、今回の事実で、
業者にも不信感が増しており、また、この建坪数では予定していた設計と
だいぶ違ってしまうであろうことから、契約解除の方向も考えております。

重要事項説明書には、実測有効面積として契約面積が書かれており、
セットバックも無しと記載され、またそのように説明も受けていました。
しかし、登記簿上面積と実測面積には多少の誤差が生じるとはいえ、
今回の面積の減少の1坪半は大きく、測量図から見て、登記簿上面積から
セットバック分を引いていなかったものと思われます。

また、建築確認前の土地売買契約ですが、建築条件付ではなく建売住宅
とのことですので、青田売りとも言われる違法な販売方法だと思われます。

もし、この状況で契約解除の方向になった場合、重要事項説明義務違反として
業者への違約金等は請求できるのでしょうか
(契約書には違約金は代金の20%と記載されています)。
また、こちらが譲歩してこのまま話を進めるとした場合には、
坪単価での値引額以外に、損害賠償のようなものは請求できるのでしょうか。

来年初頭には家に入居できるつもりで、色々な手配を進めていましたが、
トラブル続きでなかなか先へ進まず、大変困っております。
どうぞよろしくお願い致します。




□■アドバイス:1

業者への罰則や指導の関係もありますので、
社団法人首都圏不動産公正取引協議会
( http://www.sfkoutori.or.jp/index.html )の相談窓口、
および公的機関の相談窓口のご利用をお薦め致します。
 下記ページをご参考にして下さい。
    http://www.sfkoutori.or.jp/consumer/madoguchi.html

建売住宅の青田売りの場合には、建築確認番号、設備の概要、
工事の完了予定年月などを表示する必要があります。
 詳しくは、同協議会の下記ページの「9」をご覧下さい。
    http://www.sfkoutori.or.jp/consumer/point.html

私見ですが、今回のご相談には、ご指摘の通り、
その販売方法自体に問題があります。
青田売りには、それなりのルールがありますが、そのルールが
守られていませんので、上記を参考に、ご相談してみて下さい。

なお、損害賠償等につきましては、基本的には実損であるべき
だとは思うのですが、今回のケースではかなり判断が難しい様な気もします。
特に業者が非を認め、行政処分等を逃れたいと希望した場合は、
その交渉もあるかと思います。
また、損害賠償自体の範囲や金額につきましては、法律の専門家(弁護士等)に
ご相談された方が宜しいのではないかと思います。
(高原開発・涌井秀人さん)




■□相談者より

大変早いご回答を頂きましてどうもありがとうございました。

この業者には、契約の際も大変急かされたうえ、トラブルが続いて起こり、
その際にも誠意の見られないやりとりが続き、不信感を持たざるを
得なくなっています。

土地売買契約書と工事請負契約書の2通を作成し、
建築もフリープラントとのことで契約したものの、契約後に、
「建築条件付土地売買契約ですね」と確認すると、
「違います、建売住宅です」と言われました。

そのため、驚いて、
「建築確認はとられていないので、建築条件付土地売買契約
 だと思っていましたが、建売販売では違法ではないのですか」
と問いますと、
  「広告には土地と書かれていたので、違法ではありません」
との答えでした。

まったく釈然としませんでしたが、違法ではないとのことでしたし、
場所も気に入っていましたので、そのまま進める事に致しました。
しかし、その後のトラブルの際にも、責任者の方が、
「謝らなくてはいけないことなのですが…」と言いつつも、
言い訳ばかりで全く謝罪の言葉もなく、
かえってこちらがクレーマーであるかのような対応をされました。
そして今度は重要事項の記載説明の誤り(偽り?)がわかり、
更に不信感を増してしまいました。

ご回答を頂きましたとおり、省庁や弁護士への相談を
考慮していきたいと思います。どうもありがとうございました。




□■アドバイス:2

その業者の言っていることはめちゃくちゃですが、
おそらく、公的機関でも対応に苦慮する可能性があります。
なぜならば、「建売住宅」と言っているのは、
   ・(投稿内容から察するに、おそらく)口頭のみであること。
   ・広告自体は「売り土地」であること。
となりまして、公正取引の面からの指導は難しくなるとも考えられます。

しかし、斜線制限につきまして、重説に明記されていない場合は
「説明の不備」による行政処分が可能かとも思います。
有限会社ADS計画研究所さんの
「住まいの水先案内人( http://www.ads-network.co.jp/ )」の下記ページに、
比較的わかりやすく説明してありますので、参考にして下さい。
   北側斜線について http://www.ads-network.co.jp/kiso/ki-b-05.htm
   道路斜線について http://www.ads-network.co.jp/kiso/ki-b-04.htm

面積の増減につきましては、契約面積が公簿売買ですと、実測面積との差が
生じるのは良くあることです。この場合は土地売買代金の単価で
清算してあると思うのですが、いかがでしょうか?
セットバックによる実測面積の減少と言う表現をされていますが、
斜線線制限とは別に道路後退等のセットバックがあるのでしょうか?
もし、あるとすれば、その点についても重説の不備があると思われますが、
単なる公簿と実測の差とも取れるのですが、いかがでしょうか?

いずれにせよ、省庁や弁護士へのご相談がすることが一番良いと思います。
頑張って下さい。
(高原開発・涌井秀人さん)




■□相談者より

迅速なご回答を頂きまして、ありがとうございました。

土地売買契約書と請負契約書2つの契約書があり、土地売買契約書には
「地積は登記簿によるものとする」の一文があります。
それ以外に面積違いの際の清算について等は記載はなく、契約の際に
特に登記簿売買であるとか実測売買であるとかの話はありませんでした。
しかし、重要事項説明書の方には私道を含めた「合計公簿面積○平米」と
「有効実測面積○○平米」の2つの記載がありました。
「有効実測面積」とは、実測に基づいてのものだと思っておりましたが、
そうではないのでしょうか?
また、後に渡された実測図により、契約の際の面積は
セットバック分を含めた公簿面積であることがわかりました。
しかし、契約の際に「セットバックはありませんね」と確認したところ、
「ありません」との答えを頂いており、また重要事項説明書にも
「セットバックによる面積の減少」の項目には「無」の記載があります。

この面積では建築請負契約で予定していた建物が建たないため、
改めて新しい間取りを提案して頂いたのですが、業者の意向では
、「延床面積が減ってしまった分の減額はしますが、土地に関しては減額できません」
とのことです。
こちらの意向としては、土地面積、延床面積の両方で減額して頂きたいと思っておりますが、
弁護士さんを通さず、この方向で減額交渉を進めていくのは難しいでしょうか。

度々すみませんが、どうぞ宜しくお願い致します。




□■アドバイス:3

投稿内容をまとめます。

   1.私道を含めた公簿売買契約であり、実測清算は無い。
   2.その私道にはセットバックがある。
   3.その業者の重説には「有効実測面積」が明記されている。
   4.その「有効実測面積」にはセットバック分も含んでいる。
   5.その「有効実測面積」は実測されておらず、公簿面積である。
   6.セットバックについては、無いと明記され、かつ確認した時も、
    その様に返答をもらっている。

有効面積とは、セットバック分を除いた面積のことになります。
重説には私道負担がある場合には、私道負担があることを明記する必要がありますし、
負担分の面積も明記する必要があります。
また、法42条2項道路 (4m未満の道路など)でセットバック が必要となる場合も、
私道の場合と同様です。
何故、明記が必要かといいますと、建蔽率や容積率は、この有効面積を基準として
計算するからです。

投稿内容から推察致しますと、今回のご相談のケースは、おそらく、
   2項道路のセットバックがあったのにもかかわらず、
   不動産業者が事前調査を怠り、有効実測面積を間違って記載した。
   その結果、建築確認を申請する時に、そのことが原因で、
   ご希望の建物が建たないことが発覚した。
と言うことになると思いますが、いかがでしょうか?

前述の通りだったとして、この不動産業者は酷いミスを犯してしまったと思います。
通常では、まず考えられないミスです。
私見ですが、かなり新米さんか、かなり悪質な業者のどちらかだと思いますが、
おそらく、実際には建たない大きさの建築請負契約書を締結したということを
考えると、かなり素人と同等レベルの知識しか無い業者かも知れません。
同じ業者として参りました。思わず溜息さえ出てしまいます。

さて、実際の交渉ですが、これは建物の減額は当然ですが、
手付倍返しの契約違反に該当する可能性さえあると思います。
重説の不備で済まされる問題ではない様な気がします。
と言いますのも、有効実測面積の違いが隠れた瑕疵となるかについては、
明言はできませんが、おそらく土地の瑕疵となる可能性もあるからです。

ここからは、ちょっと長くなりますので、そのつもりでお読み下さい。

  【瑕疵とは】
   通常有すべき品質・性能に欠けるところがあるか、又は当事者が表示した
   品質・性能が備わっていないことをいいます。
   例えば、建物が雨漏りした場合、通常有すべき品質・性能に欠けることになり
   「瑕疵」があることになります。
   又、隠れたる瑕疵(かし)とは、
   買主が瑕疵を知らず又は知り得なかった瑕疵をいいます。

  【瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)を追及するためには】
    売主に瑕疵担保責任を追求するには
     1.売買の目的物に瑕疵があり、
     2.当該瑕疵が「隠れたる瑕疵」であることが必要です。
     3.「瑕疵」は契約締結時に存在していたことが必要です。

  【何ができるのか】
     ・契約の目的を達成できない場合
       契約の解除及び損害賠償の請求ができます。
     ・その他の場合
       損害賠償の請求ができます

  ■「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」に関する法律の規定
   【民法】
    ・契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が「隠れた瑕疵」の事実を
     知ってから1年以内にする必要があります。
    ・売主は瑕疵担保責任を負わない旨の特約をしても、
     知っていて告げなかった事実については責任を免れることはできません。
   【宅地建物取引業法】
    ・宅建業者が売主の場合、その目的物の瑕疵担保責任の期間について、
     引渡しの日から2年以上となる特約をする場合を除き、
     民法に規定するものより買主に不利になる特約をすることはできません。
     例えば、瑕疵担保責任の期間を引渡しの日から
     1年とする特約をつけた場合、この特約は無効となります。
   【消費者契約法】
    ・消費者の目的物に隠れた瑕疵があるときに、当該瑕疵により
     消費者に生じた損害を賠償する事業者の責任の全部を免除する条項は
     無効となります。

以上、お解りになりましたでしょうか?
なお、私のアドバイスは以下の通りです。

その不動産業者は投稿を読む限りでは、
宅建業法(重要事項の説明)違反なのは明白ですが、それ以外にも、
瑕疵担保責任を取っていただく交渉をすべきだと思います。
つまり、損害賠償を支払って貰うべきだと思います。
その瑕疵担保が原因で契約が解除になった場合は、
手付倍返し程度の損害賠償の請求も可能かも知れません(契約書の内容によります)。
私が思いますに、その業者は土地の減額程度で済めば安いものだと思いますよ。
強気でセットバック分の減額プラスアルファを交渉してみて下さい。
(高原開発・涌井秀人さん)




■□相談者より

大変ご丁寧なご回答を頂きまして、どうもありがとうございました。
涌井様がまとめてくださった、その通りの状況です。

業者の方は契約を急がせるあまり、実測調査などなしのまま、
重要事項説明書も不確定なままに作成されたものと思われます。
 以前にお話致しました様に、
   ・斜線制限によりバルコニーがつかないことも理解しておらず、口頭で、
    どここでもバルコニーは付け放題などと、勝手に約束
   ・「建築確認前なので、条件付売地ではないか」との問いには、
    建売であるとのめちゃくちゃな説明
   ・建築請負契約には仲介料がつけられないので、紹介料という名目での
    料金加算(売主が親会社で、仲介、建築全てグループ会社となっています)
    など、本当に不明瞭かつ、いい加減な部分が多過ぎたため、
    こちらも精神的にも大変負担となってきています。

場所は気に入っていますので、できれば納得のいく形で話を進めることができれば…
と願っておりますが、今後の業者の対応によりましては、
やはり弁護士さんを通した方がよろしいのかとも思案致しております。

涌井様に頂きましたアドバイス、大変わかりやすく、また心強く、
心から感謝致します。
最終的には弁護士さんを通すようなことになるのかもしれませんが、
もう少し、強気で交渉を進めてみたいと思います。本当にありがとうございました。

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