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造作解体費の前納について

相談内容 

東京・30代男性
店舗物件について相談します。
最初に保証金400万円(償却15%)、造作譲渡200万円だった物件を、
大家さん、前オーナーから、それぞれ100万円ずつ下げてもらい、
契約の予定でした。

契約の5日前に、突然、大家さんから連絡が来て、
「基本的に造作譲渡は認めていないので、解約の時はスケルトン返しで…」
と言われました。
当初、不動産屋さんも造作譲渡は可能と話してましたので、
何とかならないかとお願いした所、
解体費200万円を保証金とは別に預かりたいと言ってきました。
大家さんは高齢の方で、保証金を500万円にする形では納得してくれませんでした。

物件も気に入っているので、契約でスケルトン返しとなるなら、
当然従うつもりですが、解体費を事前に預けるのが納得できません。
不動産屋さんも初めてのケースと言っており、
今度、大家さんと直接の話し合いをします。
解体費を支払ったとしても、何か良い契約の仕方はありませんか?
よろしくお願いします。




□■アドバイス:1

最初に保証金とその償却について、考察してみます。

  保証金には、
   1.敷金の性質を有するもの
   2.権利金の性質を有するもの
   3.建設協力金の性質を有するもの
   4.貸金の性質を有するもの
  が考えられるのですが、この保証金の内容については、
契約書の保証金の条項に明記されているべきでしょう。
保証金の償却がある場合は、
やはり、その償却による控除の根拠を償却の条項に明記すべきです。
明記しないで償却で控除する場合は、
一定額一定割合は保証金ではなく権利金とみなされるのが一般的です。

  つまり、保証金の一部=権利金となり、この権利金には、
   1.「その場所で営業し、収益をあげることができる営業権の対価」
    (造作、のれん、得意先など)とみなされる場合
   2.「賃料の前払い的性格のもの」とみなされる場合
   3.「賃借権譲渡の承諾料」とみなされる場合
  などがあります。

私見ですが、今回のご相談では、
保証金の償却と造作解体費用の関係が問題であると思います。
保証金とは別に造作の解体費用を要求するのであれば、
保証金の償却はすべきでは無いと思います。

良く考えると、
 「償却=権利金=その場所で営業し、収益をあげることができる営業権の対価」
と考えた場合、造作の譲渡を認めず、解体して明渡すということが、
どう考えても矛盾していると思われるからです。
なぜかと言いますと、営業権の中にはどう考えても造作も含まれると思われますし、
造作は営業をする為に必要不可欠なものだからです。

実際の交渉では、この矛盾点をついて、解体費用を前納する場合は、
保証金の償却を無し、もしくは償却割合を下げるようにすれば良いと思います。
また、保証金の償却を15%にするのであれば、
造作の譲渡を認めてもらう交渉をすべきだと思います。
なお、交渉の過程においてはご自分に有利になるように、
保証金の償却の根拠から、賃貸人に聞いていくのが良いと思います。
(高原開発・涌井秀人さん)




■□相談者より

涌井様、お忙しいところ、返答していただき、ありがとうございました。
今までこのような契約や問題などとは無関係できましたので、
今回の件で不動産について勉強になりましたし、今回契約できなかったとしても、
必ず次回に役立つと思っています。涌井様の意見を読ませて頂いて、
私見とはいえ、「世の常識」というものがわかりました。

ただ先程も述べたように、85歳のおばあちゃんで、償却自体が理解できない感じの方です
(保証金が400万円・償却15%から、300万円・償却20%にしていただけたのは、
 大家さんが雇っている弁護士さんの「結局、同じこと」の一言で決まったと聞きました)。
私も弁護士さんと交渉した方がよっぽどスムーズにいくと思うのですが、
先週、解雇されたようです
(前オーナーの弁護士を気に入って、後に大家さんも雇われたのですが、
造作の件で前オーナー側についていると思われたみたいです)。

涌井様の意見を伝えたいのですが、とても頑固な女性で
保証金・償却・解体費・その他の内容は一歩も譲らないと思われます。

  私の周りの方も、その物件は辞めれば…という方が大半ですが、
   1.その女性は契約時以外は全く出てこないみたいである点。
   2.実は物件の所有者は息子さんであり、私と同業ということもあり、
    理解ある方みたいである点
   3.私自信その物件に惚れこんでいる点
  などから、こちらから譲歩するしかないかな…とは思っています。

明日がその女性との最後の交渉になると思いますので、
女性の機嫌を損ねないように、涌井様の意見を伝えようと思います。
相談とはかけ離れてしまいましたが、
また何かありましたら、よろしくお願いします。




□■アドバイス:2

相当困られているようですね。
契約前になって急変するのは契約上、おかしなものですが、
よくそのようなケースで解決していた方法としまして、
例えば保証金の償却率を上げて全体的なコストをさげてはいかがでしょうか?
保証金は入居者にとっては退店するまで
返却されない「死に金」になってしまいますよね。
ならば、本件のような場合償却率を極端かも知れないですが、
50%にするかわりに預け入れ保証金を300万円にするとか、
借主様には少々面白くない話かも知れないですが「死に金」になるより、
ご商売の運転資金が増えたとみる手もあると思います。
家主側は償却があがることにより、利益が膨らむので、
交渉には乗りやすいと思いますよ。
(アムネッツ・滝本昌幸さん)

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