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競売物件の保証金・敷金の引継ぎについて

相談内容 競売物件の保証金・敷金の引継ぎについて

大阪・30代女性
賃貸契約しているマンションが競落され、家主が変わることになりました。

 経緯としましては、
   平成15年 3月…入居
   平成15年11月…競売にかかる
          (旧大家さんが言うには、一旦引き下げ、この時は白紙)
   平成17年 3月…2年更新のため初めての更新
   平成17年11月…競売にて新家主(法人)が買取
   平成17年12月…家主が変わる
 となります。

そこで、新家主から、
「この部屋だけは保証金が無効になります。新しい契約書には
保証金0円と記入しておきますので、賃貸保証会社に加入して下さい
(4万円程度+毎年の更新料)。また、こちらが返還する義務も
一切ありませんし、退去時の修繕費は全て実費となりますので、
その時支払ってください」と言われました。

入居して1度も更新しない内に競売にかかったので、
その時点で権利が無効になるとの説明でしたが、
実際には支払ってますし、よく分かりません。
他にも保証金が無効になる部屋が2件あるそうですが、
その2件は競売にかかってから賃貸契約を結んだそうです。
そして、「告知しなかった不動産屋に訴えればいい」と言われてしまい、
私の部屋だけが、宙ぶらりんの状態のようなのです。

旧大家さんに言うと、
「そんなことはあり得ない。
 そのまま引き継いでもらう形になるはずなので、私に言われても…」
との回答でしたが、
   http://fudosanbbs.2525.net/2005/10/post_1cbc.html
を参考に、旧大家さんとも話し合ってみたいと思います。

しかし、現実的には、やはり、入居時に確実に支払った数十万円の
保証金を失ってしまう可能性を考えると、どうも納得できません。
ただ、タイミングと運が悪かったということになるのでしょうか?
理不尽さを感じてなりません。


□■アドバイス:1

私見ですが、
平成15年3月の入居であれば、改正前の契約にあたると思います。

平成15年法第134号による改正前の民法395条の適用のある
短期賃貸借で賃貸人に賃貸借を対抗できる場合とみなされると思います。
この場合は、敷金返還債務は新所有者に引き継がれると思います
(最高裁昭和44年7月17日判決)。

これは、抵当権の設定後に締結された契約であっても有効であり、
更新の有無に関らず有効なはずです。

この点については、行政の行っている法律無料相談に出かけて
確認された方が良いと思います。
(高原開発・涌井さん)


■□相談者より

ご回答ありがとうございます。参考になりました。
この競売を取り扱った裁判所に問い合わせても、

「権利はないです(保証金は無効になる)。そもそも競売の時期どうこうより、
 抵当に入ってる時点で、そちら(私側)が不利になるんです。
 物件が抵当に入ってる時点で覚悟は必要ですし、自己防衛には
 物件を探す時に抵当に入った物件か否かの調査も必要です」

というようなことを言われてしまったので、諦めかけていました。
再度自分でも無料相談所に問い合わせるなり、勉強するなりして、
結論を出せるようにしてみたいと思います。
ご丁寧なお答えありがとうございました。


□■アドバイス:2

もし、裁判所の事務職が、
そのような軽はずみな返答をしているとすれば、問題があると思います。
少なくとも、平成15年以前の契約の場合は全く違うはずです。
余談になりますが、ちょっと、面白い裁判所ですね。
(高原開発・涌井さん)


■□相談者より

国(裁判所)に断言されてしまったんだから、
もう反抗する余地もないのか…と思っていました。
裁判所側からは、
「競売にかかるまでに1度でも更新していれば、こうはならなかった。
 法律だから仕方ないです」とのことでしたので、
入居したタイミングが悪かったとしか言いようがない様子でした。
旧大家さんも弁護士に聞いてみるとのことでしたので、
無料相談所や旧大家さんとも相談しながら、
これから突き詰めていきたいと思います。
丁寧なご返答ありがとうございました。


□■アドバイス:3

再確認します。
15年の3月契約で、17年の3月に更新ですよね?
つまり、改正前の契約で、2年更新ということですよね?
何が問題なのでしょうか?

民法改正附則5条には、短期賃貸借制度廃止の経過措置として
  「この法律の施行の際現に存する抵当不動産の賃貸借
  (施行後に更新されたものも含む)のうち民法602条に定める期間を
  超えないものであって当該抵当不動産の抵当権の登記後に
  対抗要件を備えたものに対する抵当権の効力については、
  なお従前の例による」
となっているのですが、この改正附則5条の内容から考えると…。

私の解釈は間違っているのでしょうか?
それとも、この附則5条はなくなっているのでしょうか?
どなたか、他のアドバイザーの方でご存知の方はいらっしゃいませんか?
(高原開発・涌井さん)


□■アドバイス:4

涌井様、先ほど、うちの草柳が発見したもの、まとめさせていただきます。
これこそ、涌井様とBBSでやり取りさせていただきました、私がおそれていた部分
(正当な借主が不利益を被るケース)に該当するかも知れません。

=== 以下、まとめです ===
(財)不動産流通近代化センターさん( http://www.kindaika.jp/ )の運営される
「不動産ジャパン( http://www.fudousan.or.jp/ )」内の、
   http://www.fudousan.or.jp/service/lecture/lecture_12.html
  によりますと、改正法施行前から賃貸契約を結んでいる場合であっても、
   ●ケース3(改正法施行後に競売開始され、その後に更新した場合)
  のみ、「※買い受け人に敷金返還請求できない」とあります。

今回の相談者んの場合、
   平成15年 3月…入居
   平成15年11月…競売にかかる
          (旧大家さんが言うには、一旦引き下げ、この時は白紙)
   平成17年 3月…2年更新のため初めての更新
   平成17年11月…競売にて新家主(法人)が買取
   平成17年12月…家主が変わる
には、平成15年11月に競売が取り下げられた後の【実際の競売開始日】
が書かれていないのですが、もし、
   ●平成16年4月1日(改正法施行)から、平成17年3月(更新)までの間に、
    競売が開始された
  のであれば、まさにケース3に該当するように思われます。
(わんえるで~おー・前野)


□■アドバイス:4

前野様、草柳様、有難う御座いました。確かに、確認致しました。
裁判所の説明と国交省の外郭団体が公開しているので、間違いないと思います。

私なりに、調べ直して思い出してきましたので、訂正致します。
まず、ご相談のケースでは、旧民法の対象になるのですが、
   ●差押後(競売開始後)の更新の場合
は、合意更新、法定更新ともに競落人には対抗できず、
敷金の承継も行われません。裁判所の物件明細書に
「期限後の更新は買受人に対抗できない」と記載されてしまうことになります。

つまり、契約期間満了前に競落になれば、「短期賃貸借」として、
敷金は戻るのに、競落が遅れて期間満了後に競落になると
敷金も戻らなくなるなってしまうことがあるということです。
  
この場合は、更新自体が対抗できないので、敷金が戻らないばかりではなく、
明渡しを請求される場合もあるということになります。

旧法と、平成15年以前の資料を調べ直していて思い出しました。
相談者さんには、大変ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございません。
(高原開発・涌井さん)


■□相談者より

涌井様、そして前野様・草柳様、
お忙しい中、お答えくださりありがとうございます。
アドバイスを頂き、どうやらこちらが不利だということが分かってきました。
いろんな詐欺や横暴な業者が取り沙汰される昨今、何を信じていいのか
分からなくなってきてましたので、大変有難く感じております。
そして民法というのは庶民に優しくないのが現実だということを、
しみじみ感じております。普通に暮らしているだけの私達が
不利だと言われる法律なのですものね。
今回の件で、今まで自分には必要ないと思っていた分野のことを
知ることができたので、勉強になったと思っています。
まだ全てが解決した訳ではないので、
これからの動きをもう少し見ていこうと思います。

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