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共有部分に起因する雨漏りの瑕疵担保責任について

相談内容 共有部分に起因する雨漏りの瑕疵担保責任について

千葉・30代女性
元公団の中古マンションを購入したのですが、押入の外壁側のベニヤが、
漏水によりぶよぶよになり、一部にカビも生えていました。
契約時は売主の荷物がいっぱいで、そこまで見られませんでした。

雨漏りによる不具合は、契約日から3ヶ月以内は瑕疵にあたると思い、
不動産屋さんに連絡したところ、
「共有部分からの漏水が原因なので、瑕疵にあたらない」と言われました。

しかし、雨水は常に外部である共有部分から進入します。
つまり、共有部分からの漏水以外の雨漏とは存在しないと思われます。
外壁の改修は瑕疵外ですが、専有部分の不具合が雨漏による場合、
瑕疵と認めれないのでしょうか?


□■アドバイス:1

私見ですが、瑕疵と言うよりは、
共有部分の補修工事が必要と思われますので、
管理組合に修繕積立金がある場合は、
そちらを利用して共有部分の補修を行って頂くように、
管理組合にお願いするのが妥当だと思われます。
(高原開発・涌井さん)


■□相談者より

早速の御回答、ありがとうございます。
外壁は数年前に塗り替えられていますが、
その時、クラック等の補修まで行われたかは不明です。
ただ、塗装により、現在は外壁からの漏水は止まっているのではないかと思われます。
いずれにしても、漏水があればご指摘のように管理組合に相談すべきだと思います。
今回は、その漏水による専有部分の不具合が、
契約書に記載されている雨漏りとみとめられ、
瑕疵にあたるのかどうかをお聞きしたいのです。
わかりにくくてすみません。よろしくお願いいたします。


□■アドバイス:2

私見ですが、共有部分が原因であれば、通常のマンションで、
管理組合がしっかりしていれば、損害賠償保険に入っていて、
その原因の発生者(この場合は共有部分の管理者)の保険を使って、
被害を受けた方の補修を行っているはずです。
  
瑕疵と言うよりは、その被害の原因がはっきりしているのであれば、
その発生の元と言いますか、貴方に被害を与えた方
(この場合は共有部分の管理者)に、補修を請求するのが、筋だと思います。

もし、その漏水が上の階が原因であれば、上の階の損害賠償保険を使って
補修する様になります。
そのマンションの管理組合の運営にもよるのでしょうが、通常は、
漏水による占有部分の補修には、何らかの賠償保険を使う様になっていると思いますが…。
  
もし、管理組合がその様な保険を管理費から支払っていないのであれば、
今後も同様の問題が発生する可能性はかなり高いので、マンション全員の管理費を
値上げしてでも、各戸別と共有部分のそれぞれの賠償保険を強制的に入るようにする
必要性があると思いますので、その様に、意見を出したらいかがでしょうか?

  ★追記★
   マンション購入後、まだ間もない(瑕疵担保責任の期間)のであれば、
   管理組合等との交渉は、仲介不動産業者に依頼すれば良いと思います。
   その交渉を断るようであれば、瑕疵となる可能性も無いとは言えませんので、
   その不動産業者を通して、売主に補修を請求することも可能かと思います。
(高原開発・涌井さん)


■□相談者より

貴重なアドバイスをありがとうございました。
不動産屋さんが、不動産協会に契約書の解釈について問い合わせたところ、
やはり、共用部分からの雨漏りによる専有部分の不具合については
瑕疵の対象にならないという判断だそうです。
  
また、売主が事前にこのことを告げなかったからといって、
売買が成立した後では、売主に保証を求めることもできないとのことです。
  
そのような解釈であるならば、契約書に瑕疵範囲として雨漏り、
配管の不具合、白アリの3点をあげているのは、表記上誤りと思われます。
なぜなら、前述しましたように共有部分以外が原因の雨漏りなどありえないからです。
  
管理組合がどこまで保証してくれるかについても期待できないようです。
このような状況ですが、頂いたアドバイスを参考にさせていただきます。
ありがとうございました。


□■アドバイス:3

売主の瑕疵担保責任についての説明をします。

瑕疵と言うのは、簡単に言うと傷のことですが、中古建物の場合は、
建物としての通常の品質、性能を有していなければならないのですが、
この、
   ●通常有すべき品質、性能を欠くこと
  であり、特に、
   ●売主が保証した品質、性能を欠くこと
  を言います。

売買の時点で、買主が予め瑕疵の存在を知らなかった場合、つまり、
「隠れたる瑕疵」の場合には、その買主(=貴方)は、
何ら瑕疵なき中古建物として代金に納得して購入しますから、
後日、瑕疵が発見されると補修費用に相当する金額だけ、
本来の建物の価値より高い買物をさせられたことになります。
  ※この補修費用の負担を共有部分の管理者に請求可能な場合は、
   そちらに請求すべきなのは当然だと思います。

そこで、瑕疵が売買時点で既に存在する場合で、
買主が通常の注意を払っても瑕疵の存在に気付かない場合に
(善意・無過失の場合と言います)、
売主に対して本来あるべき価値との差額(今回は補修費用)を、
損害として損害賠償請求を認めるほか、
場合によっては契約解除を認めた制度が、
「売主の瑕疵担保責任」と言われるものです。
これは、たとえ売主自身が瑕疵の存在を知らなくても、
この責任を逃れることはできません。

ここからは私見ですが、この瑕疵担保責任の精神から考慮するに、
その不動産協会の解釈は、納得しかねますし、
その法的根拠を明らかにして説明を求めるべきでしょう。
たとえ、その原因が共有部分にあったとしても、
それは、その補修費用を共有部分の管理者に請求できるだけであり、
物件の占有部分の瑕疵担保責任を逃れる理由には
なり得ないであろうというのが私の考えです。

  ★追記★
   どちらの不動産協会のどなたの解釈でしょうか?
   もし差し支えなければ、直接、この解釈をした方と話したいと思います。
   個人的には、その解釈は、かなり納得しかねる解釈ですから、
   法的根拠を含めて、確認したく思います。
   (本サイト運営者のFudosan.JPサポート( rtjaclub.to )まで、
    個別メールでご返信を入れていただければ、私の方に転送されます)。
(高原開発・涌井さん)


□■アドバイス:4

分譲マンションの雨漏りは、共用部分の瑕疵になります。
この共用部分の瑕疵は、契約に特約が無ければ、
売主が負担する瑕疵担保責任には該当しません
(東京地裁判決・平成13年11月14日)。
なお、告知義務違反などに問える場合がありますが、契約の経過にもよります。
(Fudosan.JP参加エージェントさん)


□■アドバイス:5

この判例の内容がわからないのですが(一応、ネットで調べたのですが、
判決内容が判りませんでした…)、もし、判決文の内容が公開されていて
判るものがありましたら、ぜひ教えていただきたく思います。

私見ですが、共有部分の雨漏り自体が瑕疵にならないケースは
充分、考えられます。
しかし、売買契約成立時にこの雨漏りが原因で、
「占有部分に隠れたる瑕疵が発生していた場合」も、
その占有部分に既に発生していた隠れたる瑕疵に対する
売主の瑕疵担保責任を認めないという判決内容なのでしょうか?
それが知りたいのですが…。
(高原開発・涌井さん)


□■アドバイス:6

涌井様、いつも貴重なご回答に敬意を表します。

区分所有建物(マンション)の場合、
共用部分の瑕疵は共有者団体(管理組合)が責任負うべきものですから、
専有部分売買の契約上の瑕疵には該当しないと考えるのが妥当です。
  
当地の宅建協会の区分所有建物売買モデル契約書にも、
「その瑕疵が共用部分にあるとき、
 または共用部分の瑕疵が原因になっているときは、
 売主は責任を負わない」となっています。
もっとも、二次的には共有者の一員としての
共有持分に応じての責任の範囲は問えることにはなるでしょう。

判決は、私も全文を見ているわけではありませんが、
財団法人不動産適正取引推進機構発行の
宅地建物取引の判例(8)に収録されています。

雨漏りを原因とする内装などの不具合は、
契約で雨漏りを原因とする不具合をどのように扱うかを定めた定め方によります。
ちなみに、当地協会のモデル契約書のような場合では、責任は問えないと思います。
(Fudosan.JP参加エージェントさん)


□■アドバイス:7

いえいえ、こちらこそ、貴重なご意見、大変参考になります。
ところで、全宅連の区分所有建物売買契約書の瑕疵担保条項のところには、
一切、その様な記述は無いんですよ。

それと、判例の件ですが、財団法人不動産適正取引推進機構の
発行図書の一覧のページ( http://www.retio.or.jp/shuppan.html )
の「20」に入っているということで宜しいのでしょうか?
お手数でも、確認して頂ければ幸いです。
(高原開発・涌井さん)


□■アドバイス:8

涌井様、全宅連の契約書を見ましたが、「本物件中、専有部分に隠れた瑕疵」
ということで、専有部分の瑕疵に限定しています。
ただし、これですと共用部分の瑕疵に起因する専有部分の不具合の責任は、
なお解釈の問題になってしまうでしょう。
なお、図書については、そのとおりです。
(Fudosan.JP参加エージェントさん)


□■アドバイス:9

ご紹介頂いた図書が宅建協会の県本部にありましたので、確認し、
   ●東京地裁判決 平成13年11月14日(確定)
を読みました。
漏水は瑕疵に該当するものというべきと認定しつつも、
その瑕疵が共有部分に起因するものである場合は、
占有部分の瑕疵には該当せず、売主に瑕疵担保責任の成立を
認めることはできないと判示されていました。

個々の事例の違いはあるのでしょうが、契約書に、
「その瑕疵が共用部分にあるとき、または共用部分の瑕疵が
 原因になっているときは、売主は責任を負わない」
と明記してある場合において、確かにこの判例を基に考察致しますと、
今回のご相談の場合は、売主の瑕疵担保責任は問えないと思われます。

ご相談者様には混乱をさせてしまったことをお詫び申し上げますと共に、
匿名で回答いただきました参加エージェント様には、
情報を頂きまして、大変感謝致します。
なお、早速、長野県宅建協会を通じまして、
区分所有建物売買契約書の見直しを全宅連に対して
提言させて頂きましたことを併せてご報告致します。
(高原開発・涌井さん)


□■アドバイス:10

相談者様、雨漏りとそれに起因する専有部分の不具合に関しては、
共用部分の管理を行う区分所有者の団体(管理組合)の責任になります。
管理組合が、管理組合の責任と費用で雨漏りの補修を行う義務があります。
また、もし専有部分に雨漏りが原因である不具合があれば、
それも管理組合が賠償する責任があります。
ただし、区分所有者が雨漏りを知っていて、管理組合に告げず
放置していた場合は、減額されるでしょう。
(Fudosan.JP参加エージェントさん)


■□相談者より

涌井様、匿名で回答いただきました参加エージェント様、
いろいろと貴重なご意見を頂き、どうもありがとうございました。
この件につきましては、管理組合も不動産業者も瑕疵とならない
という意見で一致しておりましたし、また、築30年を経過した中古物件であり、
価格も安価なものでしたので、仕方ないかなと思っておりました。
しかし、皆様の専門的なご意見を伺い、納得いたしました。
この度は大変勉強になりました。御礼申し上げます。ありがとうございました。

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