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あいまいなローン金額について

相談内容 あいまいなローン金額について

埼玉・40代男性
はじめまして。このたび、建築条件付の家の契約をしたのですが、
その過程で納得できない部分があり、相談機関を探していたところ、
こちらのサイトをみつけ、ご相談させていただきました。

当初、土地1,100万円・建物1,500万円ということで契約を決めたのですが、
契約書を交わす段階で、
「銀行のローンを通りやすくするため」
と言われ、土地850万円・建物1,750万円で契約書を交わさせられました。
「全体の金額が変らず、建築条件付ではよくあることだ」
という先方の言葉、今回契約にいたるまでの過程で信用してしまったので、
疑問を感じながらも、契約に応じてしまいました。

ところが、後日、再び、銀行ローン用にということで、土地1,100万円・
建物1,900万円の契約書に印とついてくれと言われ、困惑しております。
これいついては、あわせて不動産会社より、
   ●ローン専用なので後ほど破棄するという念書
を差し入れてきました。

契約書の金額を簡単に変えたり、何度も結んだりということは、
よくあることなのでしょうか?
初めてのことでわからないだけに、不安ばかりが募り、
また、先方に対しても不信感が募ってしまいます。
詳しい方、ご助言をいただければ幸いです。よろしくお願いします。


□■アドバイス:1

私見ですが、有印私文書偽造にあたる可能性もございます。
オフレコ的なことですが、このような金融機関向けに
別の契約書を作成することは、過去にはよく行われていましたが、
今ではほとんど行われなくなったと思います。

おそらく、住宅ローンの融資を受け易くするために行うのだと思いますが、
あまり薦められる方法ではありません。その業者さんに理由を良く聞いて、
最終的には貴方自身が決断すべきことだと思います。
(高原開発・涌井さん)


■□相談者より

早速のご回答ありがとうございました。

やはり、普通の契約ではないようですね…。
こちらに落ち度がなかったとは言えませんが、本当に悲しい思いです…。
とりあえず、先方と土曜日に会う約束になっているので、
もう一度、よく話をききたいと思います。

2通目の契約書を作成し、
銀行ローン用にと言われたのは、なんとなく想像がつくのですが、
そもそも当初の契約時にローンのためだといって土地を減額し、
その差額を建物の請負契約に乗せて契約したのは、何か他に理由があるのでしょうか?
これも、よく行われている(行われていた?)ことなのでしょうか?

いずれにしても、契約金額、ローン用の契約書のほか、当然のように、
請負契約を土地の売買契約と同時に結ばされたことなどで、
不信感がかなり募っており、最終的には契約解除を考えています
(そもそも、先方のこれらの対応は違法性はないのでしょうか?)。

この場合、手付けの返還は望めるでしょうか?
手付けのほかに支払いは発生してしまうのでしょうか?
手付け解除が4/8となっているのですが、この日までに解約を申し込めば、
手付け金の放棄だけ済むのでしょうか?
(その場合は今度業者と会う土曜日が期限ということになるのでしょうか?)

加えて、手付けに関しては土地の売買契約に対して50万円、
建物請負契約に対して50万円というように支払っております。
この場合、建物請負の方に支払ったものは、全額返還請求することは可能でしょうか?

何卒、ご助言をいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。


□■アドバイス:2

「当初、土地1,100万円・建物1,500万円ということで契約を決めたのですが、
 契約書を交わす段階で、『銀行のローンを通りやすくするため』
 と言われ、土地850万円・建物1,750万円で契約書を交わさせられました」

とのことですが、この件につきましては、詳しい経過が判らないのですが、
一般的に行われていることでは無いと思います。
また、なぜ、この様なことを行うのか、理由は不明です。
もし、広告等で土地1,100万円・建物1,500万円と明示されていたのであれば、
公正取引違反の可能性もあるかと思います。

建築条件付ということであれば、
建物の請負契約を同時に行うことはありうると思います。
契約自体の内容には、おそらく違法性はないと思われます。
土地と建物の割合の変更については、前述の通りです。

全額返還請求することについては、
私見ですが、かなり難しいのではないかと思います。
ローン用の契約書の作成自体は、確かに有印私文書偽造になるのでしょうが、
それが即本当の契約書の契約違反とはならないと思います。
本来の契約書とは切り離して考えるべきでしょう。
このローン用の契約書については、
貴方に対しては便宜を図るために行っているものと思われますので、
貴方が損害を受けているという証明をすることは、かなり難いと思います。

この不動産業により損害を受けると思われるのは金融機関であり、
過去にも不動産業者に対して金融機関が損害賠償を請求したことがあります。
それ以来、この様なローン用の契約書の偽造は行われなくなって来ていますし、
ローン自体も自己資金ゼロで全額借り入れが可能な商品も出ています。

   ※元々は自己資金ゼロのお客様に便宜を図るために行われてきたことです。
    つまり、2割の自己資金+諸費用があるように見せかけるために、
    物件の売買価格を吊り上げて、嘘の売買契約書をローン用に作成して、
    物件の全額+諸費用までローン借り入れするために行われてました。

手付金は売主が不動産業者の場合は解約手付となりますので、
手付金を放棄すれば、解約は可能と思われます。

ここからは全くの個人的な感想です。
もっとよく、その業者さんと話し合われた方が良いと思います。
ローンのためということですが、その詳しい内容についても、
よく確認されて、説明を受けるべきでしょう。
その業者さんが、本当に悪気があるわけではなくて、
貴方のために行っているのだとすれば、同業者として、若干、
同情すべき点もあるというのが正直な感想です。
誤解を覚悟で言いますと、危ない橋を渡ってまで行った親切が、
アダになってしまったとも取れますが、いかがでしょうか?
(高原開発・涌井さん)


■□相談者より

お忙しい中、早速のご返答ありがとうございます。

この数日間、あらゆるところへ相談に走り、まず、何よりも、
自分たちの勉強不足を痛感する日々でした…。
同じ件でもいろいろな見解があり、正直どうしたらよいのか迷う部分もあるのですが、
こちらの相談窓口をはじめ、アドバイス、ご助言をいただいたすべての方方に感謝し、
涌井様からもご助言いただいた通り、明日、先方と納得がいくまで話をしたいと思います。

その上で、こちらにも、また、結果のご報告やご相談をさせていただければ…と思います。
どうぞ、よろしくお願いします。

-------- 3日後 --------

土曜日、先方と話をしてまいりました。
どうやら、建売というか、売建というか、先方は、
   ●あくまでも総額で2,600万円のものを売った
という認識のようでした。
なので、建物の請負契約も同時であり、また、土地・建物の金額の割り振りは、
先方の都合(?)のようで、結局、明確な回答は出ませんでした。
先方曰く、「こちらには何の実害もない」ということなのですが…。

追加の契約書は、単純にローンの申し込みに使用するようでした。
  通常、建築条件付土地建物の取引は、
   ●土地契約→建物の打ち合わせ→建物仕様・金額の確定
    →建物請負契約→確定金額にてローン申し込み・金消契約
  と、考えていたのですが、先方は
   ●土地・建物契約→ローン申し込み(ローン専用契約書にて)
    →建物打ち合わせ→建物仕様・金額の確定→金消契約
と、考えていたようです。

小さい工務店などは、ハウスメーカーなどと異って、
早くローンが通ることを確定させたいとのことでした。
「わかるような、わからないような…」でしたが、先方に悪意的なものは感じられず、
こちらの言い分も考慮して今後の提案をしてくださったので、話を進めることにしました。

結局、この業者の方法というのが商慣習(または昔からある方法)なのでしょうか?
教科書的にはトラブルの起きやすい取引なのではないか…と、思ったりもするのですが、
本当に何の悪意もなく、他の方も同じ取引をしているとのことでした。


□■アドバイス:3

私見ですが、厳密に言うと、
建物と土地の比率は固定資産税や不動産取得税の関係がありますので、
買主に全く影響が無いとは言えないと思います。
この業者の都合であることは間違い無いと思いますが、
この業者も、もっと正直に腹を割って、
「正直に理由を言えば良いのになぁ…」と思います。
  例えば、
   ・土地では利益を出したく無い(=土地の短期譲渡税はかなり高い)
   ・建物の施工実績を上げたい
など、何らかの都合があるから、変更したのでしょうからね。
想像ですが、土地の利益は税率が高く、経費も入れにくいが、
建物の利益については決算時に出るだけなので、
いくらでも後から調節が利くということだとは思います。

ローン用の契約書については、一応、納得された様なので…。
ローンの申し込み手順については、金融機関によってもかなり違うのですが、
一般的には、ローンの仮審査があります。
  
この時には、不動産業者等の作成した土地と建物の概要を入れた物件の説明書
をつけるのが一般的です。ということは、仮審査の段階でも、
土地建物の総額の確定は、ある程度は必要になってしまいます。
金融機関は、仮審査の段階であっても、
   ●どの程度の土地建物を買って、どの程度の資金計画で、
    借入れ希望額はいくらなのか?
  を、確認するのが普通です。

また、確かに小さな工務店では、ローンを先に確定させたいと言う
気持ちも理解できます。まずは、この仮審査が通ることが第一関門とも言えます。
不動産・建設業者にとっては、このローンが通ることがどうしても重要になります。
ローンが通ることが判らなければ、話が進まないことは充分、考えられます。
特に、中小工務店の自由設計の場合は、間取り等が決まる前から、
ローン審査通過に重点をおくことは、充分考えられることです。

  もっと言いますと、
   ●通常は、ご自分の総予算を決めて来られるお客様が一般的だ
  と、思います。
  
つまり、「総予算3,000万円で土地建物を購入したい」…と言う感じですね。
この予算内でお施主さんのご希望の間取りや仕様にいかに応えていくか…と、
その様な順番になることも、よくあることだと思います。

建物には、ある程度の常識的な仕様というものがあります。
私の個人的な意見ですが、総檜の家や、無垢材を使う高級住宅は別として、
在来の軸組木造のローコスト仕様の場合は、坪単価40~45万円が普通だと思います。
そうすると、土地建物の総額が決まると、
その予算内で建てることのできる建物というものも決まってしまいます。

資金的にかなり余裕の有る方を除いて、一般的には、総予算を決めて、
その予算内で、より良い建物を建てたいと仰るお客様が多いと思います。
当社の場合でも、どちらかと言うと、
   ●総予算を確認して、ローンが通るかどうか…を確認してから、
    細かい仕様の打ち合わせを行っていくこと
  の方が多いですね。

 逆に言いますと、
   ●土地契約→建物の打ち合わせ→建物仕様・金額の確定
    →建物請負契約→確定金額にてローン申し込み・金消契約
 という順番では、ほとんど行いません。

と言いますのも、建物仕様・金額の確定と言うのは、打ち合わせ程度なら判りますが、
建築確認が出せる状態(=確定)になってしまいますと、それなりに経費もかかります。
そうなりますと、全てが決まってから、ローンが通らないということになれば、
全部パーになるわけですから、あえてこのような順番に進めることは、
あまり無いと思います。
   
 ※一時期、ハウスメーカーでは、建築請負契約の前に設計契約書なるものを締結し、
  約100万円程度の設計料を受け取ってから設計し、ローンが通らなかった場合に、
  この設計料を没収し、問題になったこともあります。ですので、
  逆に、貴方の仰る順番の方が、問題が出てくる可能性が高いと思います。

予算が決まれば、ある程度、仕様や大きさも決まってしまいます。
つまり、最近の一般的なローコスト仕様の建物の予算が1,750万円であれば、
   ・坪40万円の仕様とすれば、44坪程度の4~5LDK
   ・坪45万円の仕様とすれば、39坪程度の3~4LDK
ということは、想像できてしまいます。

もし、良い設備を安く付けたいのであれば、色等を不人気な色にして、
メーカー在庫を格安で手当てするとか、場合によっては、展示品を格安で手当てする
とかの方法もありますし、通常は、この辺りのことをお施主さんに説明しながら、
建物の仕様や設備は決めていきます。

おそらく、その業者はこの様な説明が下手だったのではないかと思います。
ただ、設備や仕様等につきましては、これからいくらでも相談することは可能でしょう。
ですから、
   ・ランクを落として色等を人気のあるものにするのか?
   ・色等の選択肢を狭めてもランクを上げたものにするのか?
   ・メーカーはどこでも良のか?
   ・展示品等のいわゆる新古品でも良いのか?
なども含めて、
   ●良くご相談して、納得しながら仕様を決めていくこと
が、大事だと思います。
(高原開発・涌井さん)


■□相談者より

涌井さま、いつもご丁寧な説明、ありがとうございます。

もうひとつ、仲介手数料について、気になってます。
  契約時に、
   ●総額2,600万円の仲介手数料の支払約定書
 に、サインしたのですが、これは違法ではないでしょうか?
手数料は土地のみだと思うのですが…。
(専属専任媒介契約書なるものもサインをしており、ここに約定報酬額として、
 「売買価格3%+6万円+消費税」で計算されています。この書類へのサインは
 建築条件付土地の取引に必要なものなのでしょうか?)

どうも、条件付土地の取引なのに、
進み方が建売のような気がしてならないのです。
となると、いざ、建物の打ち合わせになっても、
すでにプランが決まっているのではないかと不安になります…。
(プランは先日の交渉で、ローンより先に、早速、今週末、
 打ち合わせができることとなったので、多少、安心はしていたのですが…)

不安が多い取引ですが、どこも同じなのでしょうか?


□■アドバイス:4

私見ですが、建築条件付土地の仲介の場合は、土地の仲介料のみです。
業者が建物の仲介料も取るのであれば、それは、仰るとおり建売と言うことになり、
建売の青田売りの場合は、建託確認がすでにとってあるはずであり、
専属専任媒介契約書に、建物の建築確認番号が入っている必要があると思われます。
但し、購入希望の専属専任媒介契約書の場合は、
一概に具体的な物件の明記は必要とはされておりません。

ところで、この専属専任媒介契約書の締結時期はいつでしょうか?
本物件とは限らず、最初に、
   ●土地建物込みで、2,600万円前後で、物件を購入したいということで、
    不動産業者に物件探しを依頼された
  のであれば、違法性は低いと思われます。
  しかし、
   ●建築条件付土地を購入するいうことが決まってから、
    土地と建物込みの専属専任媒介契約書を締結した場合で、
    かつ、建物の分も仲介手数料を取る
と言うことで、専属専任媒介契約書を締結したのであれば、
それは、かなり違法性が高いと思われます。
なぜかと申しますと、建築条件付土地の場合は、
土地は売買契約書の締結によりますので
業者の媒介となりますが、建物は、建築請負契約の締結となりますので、
媒介とはならず、一般的には、不動産業者は建設業者からの謝礼等のみとなります。
   
 ※手数料ではなく、購入者から紹介料や謝礼を頂くのであれば、違法性は低くなります。

既に建物が建っていたり、
建売の青田売りの場合(確認番号の明記が必要)であれば、
媒介となりますが、単なる建築条件付土地の場合は、媒介とはならないはずです。

この件につきましては、地元の宅建協会の主催する無料相談に出かけて、
ご相談することをお勧め致します。
  埼玉県の場合は、
   (社)埼玉県宅建協会( http://www.takuken.or.jp/ )の中の、
   「平成18年度 不動産法律相談会開催のお知らせ」
     http://www.takuken.or.jp/ad/index2.html
  を、ご参考になさって下さい。
  また、埼玉県本部から離れている場合は、
  宅建協会本部で、お近くの支部をご紹介していただいて下さい。
(高原開発・涌井さん)


■□相談者より

早速、自宅近くの宅建協会支部の相談会に行きました。
結論として、業法に抵触している可能性があるとのことで、
今後のアドバイスを受けることができました。
これまでモヤモヤしていたのが、やっと解約の決断をすることができました。
涌井さま、これまで、迅速、かつ、的確なアドバイスをいただきまして、
ありがとうございました。
当然、すんなりいかないとは思いますが、がんばってみようと思います。

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