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借地上の建物の売却について

相談内容 借地上の建物の売却について

北海道・60代女性
借地に家を建てて住んでいますが、引越しに伴い、家を売りたいと思います。
Aさんが買い取ってもいいと言ってたのですが、地主が買い取るといい始めました。
不動産会社は、「地主に権利がある」と言うので、
地主に売る方向で話を進めてきました。
(ちなみに、Aさんは、地主から、「土地の契約金や地代が今より上がる」
 と言われたらしく、買取りを渋るようになりました)

ところが、地主と不動産会社から、
「基礎などを見てから買い取りを検討する。修復不可能ならば、
 更地にして土地を返してほしい」
と言われました。
更地にする費用を考えると、
タダ同然でも誰かに引き取っていただきたいのですが、
地主と不動産会社の言いなりになるしかないのでしょうか?


□■アドバイス

私見ですが、借地上に存在する建物を売却する場合においては、
基本的には、地主の承諾が必要ですが、地主に不利益とならない場合、
地主はその承諾を拒否することはできません。地主が拒否する場合は、
裁判所に申し立てて、裁判所に代りに許可を貰うことが可能です。
この許可の申し立ての時に、地主が自ら建物の買取を申し出た場合は、
裁判所は、相当の対価、および、転貸の条件を定めて、
地主が買取ることを命ずることができます。
つまり、今回のご相談のケースでは、
時価による建物の買取を地主が拒否した場合は、
建物の売却の許可を裁判所に申し立てることが宜しいかと思います。
 ※この場合、土地の契約金や地代の変更についても、
  裁判所の判断に委ねることとなり、地主が勝手に変更する事は出来ません。

  ▼参考条文▼

   1.平成3年10月4日以前からの旧借地法の対象である場合

     第9条ノ2 借地権者ガ賃借権ノ目的タル土地ノ上ニ存スル建物ヲ第三者
           ニ譲渡セントスル場合ニ於テ其ノ第三者ガ賃借権ヲ取得シ又
           ハ転借スルモ賃貸人ニ不利トナル虞ナキニ拘ラズ賃貸人ガ其
           ノ賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ承諾セサルトキハ裁判所ハ借地権
           者ノ申立ニ因リ賃貸人ノ承諾ニ代ハル許可ヲ与フルコトヲ得
           此ノ場合ニ於テ当事者間ノ利益ノ衝平ヲ図ル為必要アルトキ
           ハ賃借権ノ譲渡若ハ転貸ヲ条件トスル借地条件ノ変更ヲ命ジ
           又ハ其ノ許可ヲ財産上ノ給付ニ係ラシムルコトヲ得
         2 裁判所ハ前項ノ裁判ヲ為スニハ賃借権ノ残存期間、借地ニ関
           スル従前ノ経過、賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ必要トスル事情其
           ノ他一切ノ事情ヲ考慮スルコトヲ要ス
         3 第1項ノ申立アリタル場合ニ於テ裁判所ガ定ムル期間内ニ賃
           貸人ガ自ラ建物ノ譲渡及賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ受クベキ旨
           ノ申立ヲ為シタルトキハ裁判所ハ同項ノ規定ニ拘ラズ相当ノ
           対価及転貸ノ条件ヲ定メテ之ヲ命ズルコトヲ得
           此ノ裁判ニ於テハ当事者双方ニ対シ其ノ義務ヲ同時ニ履行ス
           ベキコトヲ命ズルコトヲ得
         4 前項ノ申立ハ第1項ノ申立ノ取下アリタルトキ又ハ不適法ト
           シテ同項ノ申立ノ却下アリタルトキハ其ノ効力ヲ失フ
         5 第3項ノ裁判アリタル後ハ第1項又ハ第3項ノ申立ハ当事者
           ノ合意アルニ非ザレバ之ヲ取下グルコトヲ得ズ
         6 裁判所ハ特ニ必要ナシト認ムル場合ヲ除クノ外第1項又ハ第
           3項ノ裁判ヲ為ス前鑑定委員会ノ意見ヲ聴クコトヲ要ス

   2.平成3年10月4日以降の借地借家法の対象である場合。

     (土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可)
       第19条 借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲
           渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、
           又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないに
           もかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を
           承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借
           地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この
           場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要がある
           ときは、賃借権の譲渡若しくは転貸を条件とする借地条件の
           変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめること
           ができる。
         2 裁判所は、前項の裁判をするには、賃借権の残存期間、借地
           に関する従前の経過、賃借権の譲渡又は転貸を必要とする事
           情その他一切の事情を考慮しなければならない。
         3 第1項の申立てがあった場合において、裁判所が定める期間
           内に借地権設定者が自ら建物の譲渡及び賃借権の譲渡又は転
           貸を受ける旨の申立てをしたときは、裁判所は、同項の規定
           にかかわらず、相当の対価及び転貸の条件を定めて、これを
           命ずることができる。この裁判においては、当事者双方に対
           し、その義務を同時に履行すべきことを命ずることができる。
         4 前項の申立ては、第1項の申立てが取り下げられたとき、又
           は不適法として却下されたときは、その効力を失う。
         5 第3項の裁判があった後は、第1項又は第3項の申立ては、
           当事者の合意がある場合でなければ取り下げることができな
           い。
         6 裁判所は、特に必要がないと認める場合を除き、第1項又は
           第3項の裁判をする前に鑑定委員会の意見を聴かなければな
           らない。
         7 前各項の規定は、転借地権が設定されている場合における転
           借地権者と借地権設定者との間について準用する。ただし、
           借地権設定者が第3項の申立てをするには、借地権者の承諾
           を得なければならない。
(高原開発・涌井さん)


■□相談者より

涌井さま 迅速な対応、ありがとうございます。
とりあえず、地主とよく話し合ってみます。
納得がいかなければ、アドバイスを参考に裁判所へ行ってみようと思います。
お忙しいなか、ありがとうございました。

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