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境界の明示について

相談内容 境界の明示について

愛知・30代男性
現在、土地の契約を済ませました。
今後、残金を支払い、土地の引渡を受ける予定ですが、
先日、仲介の不動産会社から、
   ●隣接の土地所有者から境界立会の押印がもらえない
という連絡が入りました。
隣接者は現況の境界杭の位置には納得しているらしいのですが、
  「そんな書類には実印は押せない」
とのことです。
仲介の不動産会社は、
  「その様な書類がなくとも、所有権移転はでき、特に大きな問題ではない」
と言います。

多額の資金を準備して土地を購入するため、
後々のトラブルの要因となるようなことは、避けたいという思います。
  
そのため、当方としては、後々、隣接者とトラブルとならないように、
「筆界確認書」のような、境界に対し、隣接者からの了解を得た書面を望んでいます。

土地の売買契約書にも、「境界の明示」という条文があり、
   ●売主は、買主に対し、残代金支払日までに、本物件につき
    現地にて境界標を指示して境界を明示します
とあります。

境界の明示とは、境界を明確に示すことであり、
その示し方は売主側の自己満足によるものではなく、
隣接者も認めるものだと思います。そのため、どんな理由にせよ、
隣接者が筆界確認書に押印せず、書面による了解が得られないことは、
上記の条文に違反するのではないのでしょうか?
  
それとも、隣接者からの了解が得られなくとも、
境界の明示をすることはできるのでしょうか?


□■アドバイス:1

私見ですが、この様なことは時々起こります。
隣地所有者が境界について、承諾していて、かつ土地家屋調査士が
そのことについて確認していることが前提となりますが、
私どもの場合は、土地家屋調査士による境界確認を行い、
境界立会い確認書に認印を頂きます。そして、土地家屋調査士の責任により
境界確定を行い、地積更正を行います。

一般的には実印と印鑑証明が必要と思われていますが、
必ずしも必要ではありません。
ただし、通常土地家屋調査士は自分の責任がありますので、
なかなか、やりたがりません。
土地家屋調査士がやりたがらない場合は、仲介業者が法務局の登記官へ
直接電話連絡して、「筆界特定」を行った方が良いかどうかを聞くなど、
色々と相談しますと、そのうちに登記官が、

「認印をついた境界の立会い確認書があるのであれば、地積更正はできますよ。
 土地家屋調査士は誰ですか? 私がその土地家屋調査士に方法を教えます」
と言ってくれると思います。

基本的なことですから、その不動産業者によく教えてやって下さい。

(高原開発・涌井さん)


□■アドバイス:2

相談者のおっしゃるとおり、基本的に境界の明示とは、
隣接者の立会いのもと仮測量を行い、立会証明書をいただかないと
明示されたことにはならないと思います。
  
ですので、その後、土地境界についてのトラブルが起こる可能性は
否定できませんし、最悪の場合、裁判沙汰になるケースも少なくありませんので、
よく留意する必要あると思うのです。

確かに登記手続き上、立会証明書は必要ありませんが、
今後のことを考えると、必ず必要になる書類だと考えるのが常識的だと思います。
契約上の観点からいけば、職務怠慢と言わざるを得ないでしょう。
隣接者に理解していただくまで、測量成果の各資料を提示し、
業者がわだかまりを解いてあげないといけないと思います。

(田中設計事務所・田中さん)


□■アドバイス:3

大切な部分は、涌井様、田中様のアドバイスをご参考いただくとして、
ちょっと違った観点から…です。

契約書にも「境界の明示」が書かれており、
それを前提に、貴方は売買価格に納得されたわけですから、
当然、境界の明示ができないのであれば、
売買価格自体の再考まで踏まえて、
交渉できる可能性もあるかと思われます。

  つまり、
   ●境界が明示できないのであれば、それでも構わないが、
    当然、リスクを背負うので、現在の売買価格では納得できない
  というような伝え方でしょうか?

相談内容から判断しますと、
現在の境界杭の位置自体に大きな問題も無さそうですので、
万一、大幅な減額を提示されてきたのであれば、
そこで契約することも一つの方法でしょう
(もちろん、実際の建築時には、万一に備えて、
 境界ギリギリに建てないような配慮はされるべきでしょう)。

もちろん、貴方の要求は明示しないことによる減額ではなく、
現在の価格での明示だと思いますが、要は、今のままですと、
売主、仲介不動産事業者とも、境界の明示に対して、
重要視していないと思いますので、
こんなプレッシャーをかけるのも、方法だと思います
(境界明示できない物件であれば、当然、その分、安くなって然るべきです)。

(わんえるで~おー・前野)


■□相談者より

涌井様、田中様、お忙しいところ、大変ありがとうございました。
非常に参考となりました。

再度の質問、大変失礼にあたると思いましたが、どうしてもお聞きしたく、
質問させていただきました(大変すみません…)。

当該土地には、昭和44年作成の「地積測量図」が法務局に申請されております。
法務局にも確認しようと思っていますが、この申請がされていることによって、
今回の「筆界確認書」への押印がなくとも、この地積測量図と現地の境界杭で、
将来のトラブルは避けられるものでしょうか?

また、前野様、お忙しいところ、ご回答いただき、ありがとうございました。
このような意見もあるのかと、大変参考になりました。


□■アドバイス:4

私見ですが、土地家屋調査士に昭和44年作成の「地積測量図」を基に、
現在の境界が間違いがないかどうか確認して頂き、
「境界確認」を隣地所有者立会いで行い、
「境界立会い確認書」に署名捺印をして頂けば良いでしょう。
これが無いと、不安は残ります。

私の経験上でも、境界の確認時に、用心深い性格の方は、
「実印」をついて「印鑑証明」を手渡すことを敬遠される場合がございます。
  
しかし、境界の立会いの確認のための認印ということであれば、
署名捺印はして下さる方がほとんどです。
今回のご相談の隣地の方も、境界の位置については
承諾しているということですから、
認印による地積更正を行えば良いだけだと思います。
  
これは、前回の回答の通り、土地家屋調査士は自分の責任がありますので、
やりたがりませんし、不動産業者でも、知らない業者は多いかも知れません。
しかし、認印と署名があれば、実印でなくても地積更正は可能です。

昭和44年作成の「地積測量図」によって、地積は確定しているとも思われますが、
境界は追われたり、追ったりすることは良くあります。
最近の測量図は、座標が入っていますので、境界の復元も比較的容易ですが、
昭和44年の測量図だと実際には境界の復元はかなり難しいでしょう。
土地売買は境界を明示するとともに、地積更正をきちんと行ってから、
買主に引き渡すのが基本です。
不動産業者に、「実印」でなくて「認印」でも地積更正は可能であることを教えて、
善処する様に求めて下さい。

土地家屋調査士はやりたがりませんので、その場合は法務局の登記官に相談して、
登記官から土地家屋調査士に指導して頂いて下さい。
当社では、今年も実際に隣地所有者から「実印」が貰えず、
やむなく「認印」で、それも所有者本人が入院中のため、
その息子さんの「認印」で地積更正を行っております。
ですから、不動産業者がしっかりしていれば、地積更正は必ず可能だと思われます。

  ★補足★
   今回の回答は、
   「隣接者は現況の境界杭の位置には納得しているらしいのですが、
    『そんな書類には実印は押せない』…」
   という当初の相談内容から、
    ●実測売買の精算ありの契約内容を前提
   に返答しております。

   公簿売買の場合は、当然地積更正は必要ございません。
   ただし、この場合でも土地家屋調査士と隣地所有者立会いによる
   境界や杭の確認は必要ですが、この場合は境界を全員が確認すれば良く、
   特別、境界でもめているのでなければ、書面にまでする必要は無いでしょう。
   境界杭やプレートが無くなっている場合は、全員が立会って、土地家屋調査士
   に新しく入れてもらえば良いでしょう。
   公簿売買の場合は、境界を明示すると言うのは、境界杭やプレートによって、
   はっきり解る様にしておけば、十分であると思います。

   ただし、宅地の場合は国調が終っている地域を除いては、やはり、実測による
   売買が望ましいとは思います。

(高原開発・涌井さん)


□■アドバイス:5

こんにちは。
売買契約で定める境界の明示は、売主が買主に目的物の範囲を
認識させるために行うもので、隣地の同意があるかどうかは
直接には関係ありません。

境界の確定が必要な場合は、
契約において、別途詳細な合意を行う必要があります。
まず、数量に関しては、公簿売買とするか実測売買とするかです。
境界の紛争防止の関しては、確定協議書の作成するか
(実印とするか、認印とするか)、現況測量図を作成するか、
その他の方法を講じるかなどです。
こうした合意をしっかりと行う必要があるでしょう。

確定協議書を作成することが良いのでしょうが、費用がかかるし、
隣地の実印が得られるかどうかも分かりません。

隣地が境界に異議を述べていないのであれば、
簡単な確認書に認印で済ませ、
地籍測量図で済ませることも、特段、問題は無いでしょう。

(北杜宅建センター・萩原さん)


■□相談者より

涌井様、萩原様、お休みのところ、また、お忙しい中、
迅速にご回答いただき、大変ありがとうございました。
大変役立ち、参考になるご意見を頂戴したと思っております。
今後、頂戴した意見を参考とし、相手側と調整していきます。
また、念のため、法務局にも相談して、
結果は、このサイトにて報告させて頂きます。
ありがとうございました。

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