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既存不適格建築物について

相談内容 既存不適格建築物について

東京・30代女性
はじめまして。市役所に聞いても、法務局に聞いても、
らちが明かず、困り果てております。どなたかお知恵を与えてください。

今、叔母の実家の建て直しを計画していますが、
わずか2.5センチのために建物を壊さなければならない状況に直面しています。

理由は、既存建物を一部残していたところ、
「道路後退にひっかかるため、壊すように」
と、建築指導課から言われたからです。
(道路後退の立ち会いは7月5日で、まだ確定はしていないのですが、
 測量士さんの推定では、2.5センチ後退部分にかかるそうです)

「既存不適格建築物」にならないかと思ったのですが、
建物の登記簿を見ると、所有権登記が昭和26年1月24日で、
建築基準法の施行が昭和25年11月23日ですので、
施行時に工事中の建築物であったとは思います。

しかし、叔母の話によると、昭和30年頃、キッチンだったところを
和室に変えるリフォームをしています。
このリフォームが、基準法が定める、
「一定の範囲を超える増改築等を行う場合には、同法の規定に適合するように
 既存の部分の手直しを行わなければならない」
という規定に抵触していたのかは、わかりません。

建築確認の申請すらできず、困り果てております。
やはり、今回の母屋の建て直しが、この規定に抵触してしまうのでしょうか?
また、どうにか解体を免れる手だてはないものでしょうか?
何卒、よろしくお願いいたします。


□■アドバイス:1

道路後退の意味が良く判らないのですが、属に言うセットバックのことでしょうか?
つまり、接道している道路の幅員が4メートル未満で、道路中心線から2メートル
の後退線が設定されており、その後退線に既存建物が2.5センチ引っ掛かっている
ということでしょうか?

建築確認申請の対策だけだとすれば、対処方法として、一番簡単なものは
建築確認の必要の無い大規模リフォーム工事にとどめることだと思います。
柱や梁や屋根だけ残して、大工さんによる解体工事を行います
(解体業者は雑な解体を行うので駄目です)。
それら構造材の交換も必要な場合は、柱等構造材を一本づつ順次交換していく
方法をとります。増築は建築確認の必要の無い3坪までにとどめれば良いでしょう。

ただし、今回の増改築工事に関係無く、
はみ出した建物の撤去を求められる可能性もあるのだとすれば、

   1. 2.5センチの部分だけの撤去が可能かどうかを大工さんに聞いてみる。
   2. 道路拡幅工事の時には、建物を撤去すると言う念書では駄目なのかを
     役所に聞いてみる。

  ということになろうかと思います。
「1.」については、2.5センチだけ対処するのであれば、
木造在来の場合は部分解体は柱の付け替え等を行えば
充分可能だと思いますので、
リフォーム工事になれた大工さんによくご確認下さい。
もし部分解体が可能であれば、建築確認申請の時に
併せて申請を提出すれば良いのではないかと思います。

これは、あくまでも私個人の感想ですが、役所の担当官によって、
実際の対応はかなり変るかも知れません。
すぐにでも、道路拡幅が行われるのであれば別ですが、
建築確認申請を行わなければ、
建物の撤去を早急に求められることは無いと思います。
もし、撤去を求められても、そこに生活している限り、
すぐに応じなければいけないというものでもないと思います。

(高原開発・涌井さん)


■□相談者より

アドバイスありがとうございます。
おっしゃる通り、セットバックのことです。
後退線に2.5センチ引っ掛かってしまいそうなのです。

L字型の家なのですが、長い母屋部分は既に解体してしまい、
廊下で繋がっていた離れ部分だけを残して建築確認を申請したところ、
「離れも解体してください」
とのことでした。
離れが面している道路は、裏の3軒の方が使うのみで、
早急に道路拡張工事が行われる予定はないと思います。

2.5センチの撤去については、木造ですが、
基礎はコンクリートで、かなりの額がかかってしまうとのことでした。
離れは道に対して斜めに面しており、1/3程度解体しようと思っているのですが、
それでも2.5センチ、かかってしまいそうなのです。

役場の方も、「どうにか残せないですかね」とおっしゃっていて、
不適格建築物であることを証明するために、
「固定資産税をS25年までさかのぼれないか」
「古い柱や梁で証明できないか」
など、アドバイスは頂いているのですが、
資産税課には昭和45年までしか資料は残っていないとのことでした。
  
一応、古い写真も探してみましたところ、キッチンだった頃の昭和17年に
離れの前で撮った写真、和室にリフォームする直前の昭和35年、
離れの前で撮った写真がありました。
どの程度のリフォームを行ったかはわかりませんが、
3坪以上増築したら、もっと道にせり出していたと想像できます。

その時のリフォームと、今回の母屋解体に伴う建て替えは、
「一定の範囲を超える増改築等を行う場合」に適合してしまうのでしょうか?


□■アドバイス:2

私見ですが、母屋の解体工事を既に行ってしまったのであれば、
当然、3坪以上の建替えとなり、建築確認申請が必要でしょう。
母屋の解体を行わず、前の返答の通りのリフォーム工事
とすれば良かったと思います。
投稿を読む限り、役場の方は理解のある方のようですから、
良く相談されるのが一番だと思います。

  ★補足★
   上記投稿後、当サイトの運営管理をされている1LDOの草柳さんより
   メールを頂きました。
     http://fudosan.jp/cgi-bin/soudan/wforum.cgi?mode=allread&no=4745
   の、中尾様のアドバイスの流用が可能かどうかということですが、
   母屋の滅失登記だけを分離して行い、さらに母屋部分の土地の分筆を行い
  (当然、接道している必要があります)、新しい母屋を独立した建物で、
   かつ全く別の土地に建てるということになれば、可能かも知れません。
   この方法については、必ず事前に、土地家屋調査士、および設計士に
   ご相談してみて下さい。

(高原開発・涌井さん)


■□相談者より

アドバイスありがとうございます。
分筆の件は、設計士さんからも言われていました。
敷地は離れが面している西側の他に、南側にも道路に面しているので
分筆はできるとのことでした。

しかし、問題があると土地家屋調査士さんに言われています。
セットバックの件とともに、祖父が登記した地積と実面積が
150平米も違うため、土地家屋調査士さんに測量をお願いしています。

7月上旬の、セットバックの官民立ち会いの時に、
民民立ち会いで境界も確定したいと思っていたのですが、北側の方が、
もう何十年も前に購入されたのにもかかわらず
登記上の所有権が変っていないことが判明しました。

土地家屋調査士さんによりますと、「仮登記」という方法で地積を確定すれば、
ローンを組む際必要となる登記簿にはなるとのことですが、
実際にそれを分筆するとなると、ご近所づきあいもあるので、
北側の方の判断を待つと相当時間もかかるし、お金もかかるので、
分筆は難しいのではないのかと言われています。

祖母が亡くなって10年以上、誰も住んでいない家で、どうにか叔母への相続を終え、
なんとか定年を迎えた母と叔母に住んでもらえる家に…と思って、
始めた計画ですが、いろいろと難しい問題が次から次へと出てくるものなのですね。

アドバイス通り、長野市役所の方に、真摯に相談してみたいと思います。
本当にありがとうございます。


□■アドバイス:3

長野市内の話ですか? 長野市の場合は、中核市で政令指定都市と同じで、
建築確認も長野市役所が独自に行います。長野県の建築主事よりも、
厳格に運用していますので、ちょっと厳しいかもしれません。

分筆も、法改正によって若干難しくなっているのも事実です。
以前でしたら、分筆するところだけ確定すればよかったのですが、
今は残りの土地も確定しておく必要があります。

やはり、柔軟な運用を長野市の担当者に相談してみるのが良いかもしれませんね。

(高原開発・涌井さん)


■□相談者より

早速のお返事ありがとうございます。
母の実家は長野市内です。やはり厳しいのですね…。
先日相談したのは、若い役所の方で、
「主事に相談しないと…」
と言いつつも、東京からあまり頻繁に行けない事情を察してくださり、
「電話でも相談にのります」
とおっしゃってくれているので、週明けにお電話したいと思います。

先日ご相談したときには、「何か証明があれば…」
というだけで、「昭和26年1月23日の登記簿」があることは、
まだ気づいていなかったので、それだけでもご報告してみようと思っています。

本当にどうしていいか途方に暮れ、母や叔母には言えず、
胃の痛い日々ですが、涌井さまのアドバイス、本当にありがとうございます。
勇気を持って、電話してみます。またご報告します。
重ね重ね、ありがとうございます。

~~ 二週間後 ~~
涌井さま、昨日、役場の方とご相談させて頂いた結果、
古い登記簿や写真等で、「不適格建築物」として、
なんとかセットバックせずにすみそうです。
測量結果をもとに近々建築確認申請をする運びです。
いろいろアドバイス頂きましてありがとうございました。
「柔軟な運用を相談してみる」との通り、良い結果を得られそうで、
ひと安心です。重ね重ねありがとうございました。

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