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第三者による所有地の利用について

相談内容 第三者による所有地の利用について

神奈川・30代男性
購入予定の土地があり、旗竿地です。
4m幅の二項道路に2.5m幅の通路で接続し、
接続部は3m隅切りがしてあるので、接道は4.5m幅です(すべて敷地です)。

   ★参考図★
     http://fudosan.jp/img/soudan/5117.gif

この通路状部分、位置指定道路の計画残骸のようで
(隣地との共同開発の計画がギブアップしたらしいです)、
前の家は二項道路に接しているにもかかわらず、
玄関も駐車場も隅きり部分にあるため、
こちらの敷地を通らないと一切使えません。

しかも、この状態は現所有者が前方の土地の売却者であるため、
一切、約束事は無いとのことです。
この状態は、特に相手方にとって不幸な状況です。
私は、これを利用してプレッシャーをかけるつもりも無いので、
覚書を作成し、必要充分な出入りを確保させ、
気持ちよく住みたいと思っています。

しかしながら、現状で協定道路にするつもりはありませんので、
固定資産税などもこちらの負担ですから、過大な許諾をする気もありません。
そこで、以下の2点について、アドバイスいただければ幸いです。

   1.私には思いつきませんでしたが、この隅きり部分を、
    私が使う状況は本当に無いのでしょうか?

   2.覚書の内容を考えておりますが、修正や追加などについて、
    アドバイスいただければ幸いです。
    (相手からの依頼という形で)
     ・建替えまでは一部使用を認めさせて欲しい
     ・売買時も覚書を継承する
     ・通行権は請求しない


□■アドバイス:1

おはようございます。

まず、隅切り部分の境界ですが、隅切り部分が貴殿の所有かどうか、
ご確認ください。場合によっては、便宜的に手前の家屋の方(Aさん)の
所有地を後退させた場合があります。
隅切り部分が貴殿の所有地である場合、過去の合意が、
Aさんが隅切り部分を使用しないというものである場合に、
貴殿の主張が妥当なものとなります。

けれども、「現所有者が前方の土地の売却者であるため…」
ということですので、過去の売却と隅切りの時期、
経過によって考えることになります。

 ●このような状態が平穏に継続していたのであれば、
  現所有者とAさんとの間で、
  Aさんが隅切り部分を出入り口に使用する合意があったと考えるのが妥当でしょう。
 ●また、現所有者はAさん土地の売主でしょうから、使用を禁止することは
  信義則上許されないということも考えられるでしょう。
 ●時期の関係によっては、通行地役権の時効取得もあります。

このように考えることができますから、
過去の経緯をしっかりと確認することが必要でしょう。
そのため、ご質問に関しては、以下のように考えられるでしょう。

   1.隅切り部分は、本来は車両通行の便で設置されるものであり、
    貴殿の専用通路のためのものです。
    けれども、専用通路ですので、隅切りは不要です。
    おそらく、隣地と共同しての位置指定のための計画の名残でしょう。
    どのように使うかは、先に書いたとおり、時期や経過によります。

   2.覚書は、先に書いたとおり、時期と経過によって考えることになります。

(北杜宅建センター・萩原さん)


■□相談者より

隅切り部分は、謄本で確認したところ、100%の所有権があります。
「手前の土地を5年前に分割売却するときは、深く考えずに隅切りしたが、
 そんなことは何も決めなかったのがいきさつ」
との談です。
  
手前の土地には奥の家の水道管も通っているそうで
(これは止めてもらう約束です)、建築確認でなぜ問題にならないのか不思議ですが、
両者も不動産屋も工務店も皆、なあなあでやってしまったのではないかと…
(おそらく口約束で、通っても良いようなことをほのめかしたはずです)。

私も「Aさんが隅切り部分を出入り口に使用する合意があった」というのが
実態だと思いますので、「通行地役権の時効取得」を牽制する意味もあり、
覚書が必要だと考えました。

現状の維持は私も認めるところなので、念のために通行地役権の時効取得は
主張しないという文言で追加しておきたいと思います。
アドバイスありがとうございました。


□■アドバイス:2

私見ですが、「1.」については、自動車の出入りには
当然、貴方が使用することになり、前面道路が4mで宅延幅が2.5mですと、
普通車以上の場合はスミキリが無いとスムーズな出入りは無理だと思います。
特に、図の右手にはスミキリがありませんので、
左手のスミキリは絶対に必要だと思われます。
逆に言えば、このスミキリが無い場合は、
購入するのを考えなければいけない土地とも言えるでしょう。

「2.」については、通常はこのスミキリは貴方が専ら使用するためのものとなるべきです。
しかし、事情がありますから、仕方なしに隣地所有者にも通行を認めるということに
なるのでしょう。そのため、補足については、以下のとおりです。

   ●建て替えまでは一時使用を認めさせるということは、
    「建て替え時以降は使用を認めない」
    ということになりますので、その点を強調しておくことが必要でしょう。

   ●貴方からの約束事として、
    「建て替えまでは、スミキリ部分には塀等の構造物は建てない」
    ということを明記しておくのが親切だと思います。

   ●その他、
     ・このスミキリには、隣地所有者は隣宅への来客者を含め、
      駐停車はしてはいけないこと。
     ・構造物の設置、上下水道等の埋設はしてはいけないこと。
     ・転貸しはしてはいけないこと。
    を明記しておく必要があると思います。

  また、
   ●貴方がスミキリを使用する必要が無い場合
  は、覚書ではなく、上記の条件を含んだ使用貸借契約の締結でも良いでしょう。
  この場合は、
   ・隣地所有者個人を相手に契約しておく。
   ・目的は人及び車両の通行に限定しておく。
   ・貴方が自分で使用する必要が出た場合は契約は終了する。
  ということを明記しておけば良いでしょう。
  そうすれば、隣地転売時の覚書の継承という不安要因はなくなります。

該当地所有者(場合によっては売主)が承諾するかどうかは別ですが、
実態は限りなく使用貸借契約に近いものになるでしょうから、
覚書と言う不確実なものでは無く、明確な契約を行った方が良いとは思います。
  
また、図面上だけでは無く、現地で鋲等の堺を明示して、スミキリのさらに
一部だけを通行目的で無償で貸すことが可能な場合
(スミキリを2mではなく1mにするなど)も、
その部分についてのみの使用貸借契約で良いと思います。

  以下、ご参考まで…。

   ★使用貸借に関する民法の条文

   (使用貸借)
    第五百九十三条 使用貸借は、当事者の一方が無償で使用及び収益をした後
    に返還をすることを約して相手方からある物を受け取ることによって、その
    効力を生ずる。

   (借主による使用及び収益)
    第五百九十四条 借主は、契約又はその目的物の性質によって定まった用法
    に従い、その物の使用及び収益をしなければならない。
    2 借主は、貸主の承諾を得なければ、第三者に借用物の使用又は収益をさ
      せることができない。
    3 借主が前二項の規定に違反して使用又は収益をしたときは、貸主は、契
      約の解除をすることができる。

   (借用物の費用の負担)
    第五百九十五条 借主は、借用物の通常の必要費を負担する。
    2 第五百八十三条第二項の規定は、前項の通常の必要費以外の費用につい
      て準用する。

   (貸主の担保責任)
    第五百九十六条 第五百五十一条の規定は、使用貸借について準用する。

   (借用物の返還の時期)
    第五百九十七条 借主は、契約に定めた時期に、借用物の返還をしなければ
    ならない。
    2 当事者が返還の時期を定めなかったときは、借主は、契約に定めた目的
      に従い使用及び収益を終わった時に、返還をしなければならない。ただ
      し、その使用及び収益を終わる前であっても、使用及び収益をするのに
      足りる期間を経過したときは、貸主は、直ちに返還を請求することがで
      きる。
    3 当事者が返還の時期並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、
      貸主は、いつでも返還を請求することができる。

   (借主による収去)
    第五百九十八条 借主は、借用物を原状に復して、これに附属させた物を収
    去することができる。

   (借主の死亡による使用貸借の終了)
    第五百九十九条 使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失う。

   (損害賠償及び費用の償還の請求権についての期間の制限)
    第六百条 契約の本旨に反する使用又は収益によって生じた損害の賠償及び
    借主が支出した費用の償還は、貸主が返還を受けた時から一年以内に請求し
    なければならない。

(高原開発・涌井さん)


■□相談者より

「1.」については、言葉足らずでした。
塀を作るなどして占有しなければならない状況は考えつかないという意味です。

「2.」については、補足事項ありがとう。文案を練ることにしましょう。
私がスミキリを不要と考えることは無いと思います。
いろいろとアドバイスをいただき、ありがとうございました。

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