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構造計算にミスについて

相談内容 構造計算にミスについて

東京・30代女性
1年前に新築で一戸建てを購入しました。
最近になって売主から、
  「設計士の構造計算にミスがあり、耐震強度が規定以下だった」
との話があり、全額売主負担で補修工事を行うことになりました。

もし、耐震強度以外は同条件の建物だったとするならば、
   ●ミス発覚の後、工事をしたことで耐震強度が規定になった物件
   ●最初から規定通り建てられた物件
とでは、
物件自体の評価は違うものなのでしょうか?

また、今回のミスに際し、
   ・騒音や業者の出入りや駐車など近隣へのご挨拶に使う手土産の費用
   ・工事の後のハウスクリーニングの費用
   ・耐震強度の欠陥ということで非常に怖い思いをした精神的ダメージ
など、
損害賠償という形で請求できる範囲は、どのくらいなのでしょうか?

アドバイス頂けたら助かります。どうぞ宜しくお願い致します。


□■アドバイス:1

まず、補修工事の方法ですが、終ったとき、
第三者には判らない方法でなされるのでしょうか?
  つまり、
   ●壁の中心部(躯体)に補強をして、外壁や内壁は張りなおし、
    まったく新築のときのように完全になされるのか?
   ●いわゆる「見え見えの補修」なのか?
  
で、はじめの疑問への回答は変ります。
是非、専門家である建築士に工事のチェックを依頼すべきだと思います。
その委託費用は、当該業者から必要経費としてもらいうけるべきものです。

二つ目の賠償範囲は、事前に決っているわけではありません。
範囲は、広く考えてよいと思います。
精神的損害も、ご自身がダメージを感じたなら請求してよいと思います。
しかし、その通り認められるかは、なんら保証はありません。
相手が理解を示さないなら、最終的に裁判で決着せざるをえません。
ただ、近隣への隣人としての配慮は別ではありますが、近隣挨拶、
クリーニングは工事会社の当然の業務範囲と存じます。

(一級建築士・中尾正文さん)


□■アドバイス:2

私見ですが、物件自体は、補強工事が「きちんと行われている」のであれば、
中古建物としての評価は変らないと考えていただいて結構だと思います。

損害賠償を請求するのはご自由です。
しかし、このコーナーで過去にも何度も説明してきたことですが、
   ●損害賠償は、不法行為と債務不履行があったかどうかが重要
です。
そして、日本の場合は基本的に実損金額(その損害が証明できる額)
であるべきかと思います。

この点から考えますと、
「全額売主負担で補修工事を行うことになりました」ということですから、
通常考えられる損害については、売主は負担する意思があると思われますし、
それ以上のものを実際の損害といえるかどうかは、
個々の事情もあるのでしょうが、なかなか応じてはもらえないでしょう。

中尾様のご返答にもありましたが、工事に伴う近隣へのご挨拶やクリーニングは
受注した施工業者が行うのが一般的ですから、売主、および、施行業者に
きちんと対応して頂くようにご確認された方が良いと思います。
これは別の損害賠償というよりは、
   ●補修工事の一環であるから、当然、対応して頂く
ということで交渉してはいかがでしょうか?

精神的なダメージは、非常に証明が難しいものですが、実際に通院されたり、
薬品等を使われたのであれば、その治療の実費は請求可能かと思います。
日本の場合は、
   ●損害を金銭的に評価した額を賠償額とする制度
を採用しているので、
精神的損害の金銭的評価について、裁量が働くことが一応考えられるとしても、
懲罰的損害賠償を正面から認めることはできないとされています。

一方、英米法系諸国においては、懲罰的損害賠償が認められています。
これは、損害賠償請求訴訟において加害者の不法行為が強い非難に値すると
認められる場合に、裁判所の裁量により、制裁を加えて、
将来の同様の行為を抑止する目的で、実際の損害の補填としての賠償に加えて
上乗せして支払うことを命じられる賠償のことをいいます。

ですから、精神的な損害賠償と言うよりは、
   ●裁判所の裁量により、加害者に多額の損害賠償を支払わせることにより、
    社会的な制裁を加え、同様事件の再発を防ぐという見せしめ的なもの
であります。
しかし、日本においては、
この様な懲罰的損害賠償はまだまだ認められているとは言えません。
精神的な損害賠償についても、証明できる実損相当であるべき…というのが、
現状かと思います。

(高原開発・涌井さん)


■□相談者より

中尾様、涌井様、ご意見、本当にありがとうございました。
保証会社の耐震診断を受け、それによって補修計画を出すとのことなので、
多分、新築同様に補修して頂けると思います。
ご意見を参考にし、補修工事を行う前の話し合いに臨みたいと思います。

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